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2歳児が円形脱毛症に……中国“毒親”が生み出す「小児ストレス地獄」がヤバすぎる!?

今回、円形脱毛症になってしまった男児の写真(東網)

 中国では毎年6月、全国統一大学入学試験(日本のセンター試験に相当)が行われる。約1,000万人の受験生が試験を受け、その成績順に希望する大学からの合格通知を手にするのだ。

 日本より熾烈だといわれる学歴社会の中国では、幼少期の子どもに猛烈な受験勉強を強いる親たちが社会問題となっている。最近も、衝撃的なニュースが駆け巡ったばかりだ。

「中国捜狐新聞」(11月12日付)によると、湖北省武漢市内の病院に、2歳男児を連れた母親がやってきたという。男児の頭部は、不自然なほどまだらにハゲていた。これに対応した医師は、男児が極度のストレスによって円形脱毛症になったと診断したそうだ。

 医師が母親に、男児の日常生活について尋ねると、信じられない事実が明らかになった。

 母親は、2歳の息子を上海市内にある名門幼稚園に入学させるため、英語、数学、絵画、ピアノ、司会技術など、5つもの習い事をさせていた。この母親は、地元メディアの取材に対し「幼い息子が負け組となってしまうのが怖くて、必死にたくさん習い事をさせた」と話している。

 

中国では児童教育ビジネスが盛んだ(写真はイメージです)

 今回の騒動は円形脱毛症で済んでいるが、中国では過去に子どもたちが受験勉強を苦に自ら命を絶つという悲惨な事件も起きている。

 2016年3月、安徽省合肥市では、10歳の女児が飛び降り自殺をしたが、部屋からは「勉強がつらく、死にたい」という内容の遺書が発見された。

 同年6月には、山東省恵民県に住む12歳の男子小学生が、長時間の勉強を親に強いられ、首吊り自殺をした。いずれの事件も、子どもたちが教育熱心な両親から非常に強いストレスを受けたことによって引き起こされている。このほかにも、テストの点数が悪かっただけで突発的に自殺を図った小中学生の事件などが、たびたび報じられている。

「中国人は、とにかく教育関係の出費を惜しみません。中国メディアが最近発表したデータによれば、都市部の小学生のうち12%が、将来の大学受験に備えて、5つ以上の習い事を掛け持ちしているとのこと。一人っ子政策は解禁されましたが、まだまだ一人っ子の家庭が多く、両親にとってみれば唯一の子なので『失敗は許されない』と考える傾向が強いんです。経済成長とともに、幼児向け教育ビジネスも年々拡大しており、親たちは『隣の家が行かせてるなら、我が子も行かせないとヤバい』と強迫観念にさいなまれるのでしょう」(北京在住の日本人大学講師)

 農村部には、勉強したくても学校に通えない留守児童が大勢いる一方で、都市部の児童は勉強による大きなストレスを抱えている。中国の子どもたちは、どこに生まれても苦労が多いようだ……。
(文=青山大樹)

最終更新:2017/11/21 11:23
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