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二次元にも規制強化が迫るダウンロード販売サイト これは新たな創作への希望か

「DMM同人.R18」より

 ダウンロード販売の大手であるDMMが、同人作品に対するレギュレーションを強化したことが波紋を呼んでいる。

 規制の対象となっているのは、作品のタイトルや説明文。制作者などに送付された説明によれば「幼児、小学生、中学生などを連想させるキーワードをタイトルや説明文に使用することを禁止し今後それらの取扱についてDMM規定にて販売停止」するとしている。

 さまざまなアダルトメディアを扱うDMMでは、これまでも幾度かレギュレーションの強化が行われている。過去には実写タイトルで獣姦作品の取り扱いを禁止。最近では、過度な凌辱描写のある実写タイトルの削除なども行われている。また作品タイトルや説明文でも「ロリータ」を「ロ○ータ」と表記するなどの措置が取られている。今回の同人での措置は、こうしたレギュレーションを援用したものとみてよいだろう。

 いわゆる「児童ポルノ」は、法律面では長年の議論を経て2015年に施行された現行の児童ポルノ法において「二次元」は対象外であることが明確にされた。それでも、創作物の児童ポルノ的な表現、性表現などに絡む論争は、現在までやむことがない。DMMは、レギュレーションを強化するに至った経緯を明確にはしていない。ただ、アダルトのみならず、一般メディアや証券など、多面的なプラットフォームとして存在感を増す中で、企業としての社会的な責任を迫られたということだろう。

 今回のDMMの措置によって明確になったのは、プラットフォームの寡占化がもたらす影響である。国家権力など公的機関による規制は、その成立過程における議論が明らかにされる。ところが、民間企業の場合は、そうではない。Twitterの凍結問題でも知られるように、民間企業のサービスは、それが生活に密着したインフラとなっていても、ブラックボックスのままなのである。

 今回のDMMのレギュレーション強化においてもTwitter上では、商品説明の「幼い頃に遊び場にした~」という文言が抵触するとされたなど、理不尽な検閲が起こっている。けれども、それに対する異議申し立てを行うのは困難なのである。

 こうした状況の中で、創作者の側は改めて覚悟を求められているといえるだろう。ダウンロード販売が存在感を増したことは、売る側・買う側にとってメリットが大きかった。とはいえ、創作を行う側はダウンロード販売を行うサイトがなければ、作品をつくらなかったのか? サイトの存在はきっかけになったかもしれないが、創作するにあたって、なくてはならないものではない。

 たとえ読み捨てにされる「実用」作品であっても、作者は「これで、読者のザーメンを搾り取ってやる……」とか、搾り取られた読者の感想を求めて、必死に机に、パソコンに向かっていたハズだ。そんなつくりたい欲求、見せたい欲求。消えない炎のようなものがあるのならば、作品を読者に送り届ける手段は、いくらでもあるのではないか。

 理不尽な規制に対する万感の怒りをもって、もっとトンデモない作品が次々と生まれることを期待してやまない。
(文=昼間たかし)

最終更新:2018/12/12 15:55
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