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熱血!スポーツ野郎

『アニ×パラ』『ぼくらはマンガで強くなった』NHKが狙う“スポーツ×マンガ・アニメ”の幸せな共犯関係

 過去、『BSマンガ夜話』や『マンガノゲンバ』、『浦沢直樹の漫勉』など、NHKではいくつもの“マンガ語り”の番組が生まれてきた。『ぼくらはマンガで強くなった』もその潮流にありつつ、大きく違うのは、実際の試合映像やアスリートへの取材素材といった、NHKだからこそ持っている豊富なスポーツアーカイブ映像とシンクロさせながら番組作りができることにある。

 今回、京谷の20年以上前の練習風景と、高橋の10年近く前の練習風景の映像が流れていたが、これはもうNHKだからこその芸当と説得力だ。

『ぼくらはマンガで強くなった』というタイトル通り、番組構成の前提にあるのは、マンガに影響を受けてアスリートはどう成長したか? という視点。だが、アスリートの葛藤や練習風景、実際の試合映像も交えながらのこの番組は、むしろ、現実世界の試合結果やアスリートの生き様によって、マンガの描き方やテーマ設定が変化していく様も見ることができる。特に新シリーズではその傾向が強くなった。

 マンガからアスリートへ。そしてアスリートからマンガへ。スポーツとマンガの幸せな共犯関係も楽しむことができる。今後、まだ控えめな高橋大輔が持ち味を発揮できるようになり、マンガへの造詣、作家へのリスペクトを高めていけば、さらに内容の濃い番組になっていくのではないだろうか。

 だからこそ、今この番組にお願いしたいことがある。以前一度取りあげた『はじめの一歩』をもう一度扱ってもらえないものだろうか。

 この2週の急展開で、マンガ史上に残るバッドエンドを迎えそうな『はじめの一歩』。一方で、この作品によってボクシングが好きになった読者、実際に世界チャンプにまで登りつめた事例は少なくない。なんとかもう一度、この番組を通してボクシングの素晴らしさを作者か編集者に伝え、ストーリーの再構築を目指して欲しいのだが……もう遅いか。
(文=オグマナオト)

最終更新:2017/12/06 10:23
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