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【昼間たかし】話を聞いているだけじゃ見えてこないものがある。ルポルタージュで振り返る2017年

●9月25日午後8時、たつき監督はなぜツイートをしたのか──『けものフレンズ』わからなかったこと、そして、わかったこと。
https://www.cyzo.com/2017/10/post_34862.html

 妄想である。箝口令の中で周辺取材は限られている。いつもは、すぐに返事を返してくるヤツまで「福原Pに会わせてよ」とLINEすると既読スルー。そんな状態で得られた情報を元に書いた。

 正直なところ、KADOKAWAとヤオヨロズと、どちらが正邪なのかはどうでもいい。

 原作者との軋轢云々も同様である。ただ、いい大人と呼ばれる年齢のたつき監督が、自身の仲間をも巻き込むような、あの乱暴なツイートを叩きつけるに至った心境を書きたかったのだ。

 きっとこうだろうと、私自身の思いで綴った文章。真偽のほどはわからぬが、ある関係者から「だいたい、あってる……」とポツリと呟かれて、この件は終わった。

 

●西原理恵子の生き様が人生の分岐に──『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい本』40原が語る“パンツ愛”そして、これから
https://www.cyzo.com/2017/11/post_143771_entry.html

 パンツ愛を聞いていたら、飛び出してくるのは西原理恵子に『パトレイバー』などなど……。

 それらを通じてイラストレーター・40原の「なにものかになりたい」という情熱を、存分に聞くことができた。

 もちろん「パンツ愛」は、本物だが、それと共に多くの文字数を使った彼の半生。やがて、これを読んだ人が、なにものかになってくれるとよいなと思っている。

 あまりに話に熱中していたので、4時間くらい喫茶店で話ながらも「おかわりどうですか」というタイミングを逸っしたのは反省。
 

●女と自由との揺らぎ──『私だってするんです』小谷真倫の探求「自分の凡庸に負けたんだ……」
https://www.cyzo.com/2017/12/post_144853.html

 自画像が、がさつそうな女性だったので、どんな人が来るのかと思ったら、まったく真逆のタイプの人だった。

 インタビューは初めてという緊張感。そんな緊張感の中で、訪ねるテーマはオナニー。

 ふと言葉の合間に見せる表情が、作品に真摯に取り組む意志の強さを感じさせていた。

 連載は、さらに好調に続いている。2018年は、もっと話題になる描き手なのではないかと思っている。

 幾つもの掌編・短編・中編を書き続けてきた2017年。なにかを成し遂げた人。なにかを成し遂げた人を見ていると、この人物は、どのような人生を歩んで今があるのか。そんなことに興味がわく。

 テレビ東京系の番組『家、ついて行ってイイですか?』が注目されていることからも、分析や批評が持てはやされる時代は、もう終焉を迎えていることが、よくわかる。

 2018年は、もっと個や細部を追いかけていきたいと思っている。
(文=昼間たかし)

最終更新:2017/12/29 14:00
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