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過去最高視聴率!『隣の家族は青く見える』の“子どもができなくてもハッピーエンド”は番組の良心

フジテレビ系『隣の家庭は青く見える』番組サイトより

 コーポラティブハウスを舞台に、そこに暮らす住民のさまざまな価値観の形を描く『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)最終話。視聴率は7.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と過去最高をマーク。流産の末、家を飛び出した奈々の行く末や、4組の「家族」の顛末は?

 

(前回までのレビューはこちらから)

 

■奈々は別れを決意

 

 長い不妊治療の末、授かった子を流産してしまった失意の奈々(深田恭子)は地元・伊豆にいた。迎えに来た大器(松山ケンイチ)に、奈々は別れを切り出す。

「治療をやめるってことは、大ちゃんに赤ちゃんを抱かせてあげられないってことだよ。そしたら私は、もう一緒にいる意味がないから」

 第1話で大器は「俺の子どもを産んでください」とコミカルながらに告白、交際が始まった。この言葉が奈々の中で大きいのだろう、いい意味でもつらい意味でも。

「2人とも子どもがいない未来を描けていなかった。未来は空っぽ、何にもない。赤ちゃんと一緒に消えちゃった」

「俺はどこいったの? 奈々の未来に俺入ってないの?」

「私はもう大ちゃんのこと幸せにしてあげられないから」

「俺がどうしたら幸せになるかって、なんで奈々が決めるの?」

「なんで子どもいなかったら幸せじゃないって、奈々が決めつけてるの。奈々にとって夫婦ってさ、単なる子作りの相手? 奈々にとって俺ってその程度の存在だったの?」

 奈々の手に指輪がないのに気付いた大器は、実家の居酒屋で荒れて酔い潰れる。

 そんな大器を叱ったりせず「あいつだってつらいんだ」と理解をしめす父・健作(春海四方)。『アンナチュラル』(TBS系)4話でしあわせの蜂蜜ケーキの工場長を演じてた方。

 母・聡子(高畑淳子)と妹・琴音(伊藤沙莉)で、潰れた大器をコーポへ送り、わずか3日で荒れた部屋を片付ける。

「いつまでたっても親なんだね」と笑う琴音に、聡子は言う。

「あんた達がいくつになってもこっちは死ぬまで親だし、あんた達も死ぬまで子どもよ」

 琴音もきっと、そういう母親になるだろう。

 大器の部屋にずっとあった小さな滑り台が外されているのに気付いた聡子は、大器を叩き起こし、毎日でも迎えに行けと叱咤する。奈々には言えなかった本音を語る大器。

「何のために子作りしてきたのか、何のために子作りしてきたのか、何のために結婚したのか、わかんなくなっちゃった」

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