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地元でも「見つからんで~」の声……向島の脱獄犯逃走事件、なぜ犯人は島で逃げ切れる?

山肌に沿うように町が広がる

 地元でも「見つからんで~」というのが、もっぱらのウワサ。この日本で、脱獄犯が逃亡を続けられるとは……いったいどんな島なのか。

 愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から受刑者が脱獄した事件は、1週間を迎えても、なお逃走が続く一大事件になっている。

 その舞台となっているのが、広島県尾道市の向島である。この島には、すでに警察当局が述べ5,000人の捜査員を投入しているが、脱獄した平尾龍磨受刑者(27)の足取りは一向につかめていないという。

 島内に潜伏するたった一人の脱獄犯を捕らえることができないとは……平尾受刑者がサバイバル能力に長けているのか、あるいは、警察当局の間が抜けているのか。脱獄から1週間、さまざまな臆測が飛び交っている。

 だが、実のところは、そのどちらでもない。

 まず、島がメチャメチャに広いのである。その面積はほぼ品川区と同じ。それも品川区みたいに整備された道路が張り巡らされた都会とは違う。田舎道のほかは、山と森なのだ。

 まったく偶然だが、先日、筆者はこの島を数時間歩いたばかりである。というのは、しまなみ海道を旅していたからだ。この時、因島大橋の手前で橋から降りた筆者は、ふと橋の歩道を歩いて対岸の向島に行ってみようと思った。筆者のイメージでは、やたらと「歩道はこちら」をアピールしているから、橋を渡った先にバス停があると思っていたのだ。

 ……まったくそんなことはなかった。バス停があるのは、島を半周ほど歩いた先。しかも、サイクリングをしている人以外には、ほとんど人には出会わない。瀬戸内海の島と聞いて小島を思い浮かべるのはやめたほうがいい。島というのは、どれもメチャクチャ広いのだ……と、この時に思った。

 この向島。尾道水道を挟んで尾道市街に面したところは、都会である。でっかいスーパーはあるし、渡し船に乗ると1分ほどで尾道市街(むしろ、尾道大橋のほうが遠回り)。

「報道では空き家が1,000軒にも上り、潜伏先の捜査が困難を極めているとされています。かつて造船業が盛んだった頃には、向島はベッドタウンだったんです。地元では“見つからんで”というのが、もっぱらのウワサです」

 そう話すのは、向島出身のフリーライターのKさん。Kさんの話によれば、過疎の進む向島は、隠れるところも豊富にあるという。

空家ばかり
潜伏する場所はいくらでもありそう

「山ほど空き家があると報道されていますが、島のあちこちに、手入れされていないみかん畑があったりするんですが、小屋は残っているのに、その小屋に入る山道が閉ざされていたりするんです」

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