日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 月9視聴率ダウンはフジの悪癖が要因!?

『コンフィデンスマンJP』録画視聴率はいいのに……リアルタイム視聴率は1.7%減! フジの悪癖が要因か!?

◆同クール『モンテ・クリスト伯』にも通ずるフジテレビの悪癖

 前述の通り、『コンフィデンスマンJP』は総合視聴率も評判も良い。Twitterでは「ボクちゃんの騙される姿を楽しむドラマなんだ」という感想が目立った。裏を返せば第1話の時点で何を楽しむドラマなのか提示できなかったのは痛いところ。

 また、作品のタイトルの付け方にも難が見える。同クールの『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系、第1話平均視聴率14.7%)であれば未解決事件を解きあかす女の話なのだとわかるし、『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系、第1話平均視聴率10.6%)であればホテルを立て直す話だと想像できる。

 フジテレビは「コンフィデンスマン」の意味が「取り込み詐欺師」と視聴者が訳せると思ったのか? はたまた辞書で調べてくれるとでも思ったのだろうか?

 視聴率5.1%を叩き出した『モンテ・クリスト伯』(フジテレビ系)も、タイトルからストーリーを想起できない。サブタイトルの「華麗なる復讐」を読んでやっと理解ができるが、視聴者はそこまで見てはくれない。黒岩勉の脚本と西谷弘の演出の力で作品自体の評価は高いが、プッシュしている原作の「巌窟王」を視聴者が知ってるとでも思ったのか? テレ朝の木曜9時枠ならまだしも、フジテレビを見てくれる層が求めている企画なのだろうか?

 意地悪に並べた本文のクエスチョンマーク同様、最近のフジテレビのドラマも気取りすぎな気がする。タイトルと内容のシンプルさ、わかりやすさは企画の肝である。まだ「見たくない奴は見なくていい」の感覚を持っているのだろうか?

 『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』(共にフジテレビ系)を制作していた時代の感覚を思い出してほしい。視聴者が見えていないと、番組は見てもらえない。

◆現場はファインプレーの連続、事件は会議室で起きている?

 企画のスタンスに苦言を呈したものの、役者と演出チームは力を遺憾なく発揮しているし、応援したくなる。第2話では主演・長澤まさみの演技には目を見張るものがあった。

 ダー子本人、貴婦人、地味なインターン生を見事に演じ分けていた。中でも注目したいのは、笑いとシリアスの使い分け。笑わせる場面ではとことんコテコテのコメディ演技。ピンチの場面には息遣いまで伝わるほど緊迫感を出していた。しかもこの作品は、「誰かを騙す」という、芝居の中で芝居をする高等技術が必要となる。嘘を見抜かれるときにはわざと下手な芝居をしなければならないし、相手を騙せる時には自然体でいなければならない。その上、笑わせるときは大げさに、展開に引き込む時は控えめに演じる必要がある。難易度の高い要求をされてもチャーミングさをなくさない長澤まさみには頭の下がる思いだ。役者だけでなく、演出家も頭を悩ませたことだろう。役者一人一人の演技の幅を理解し、匙加減をしなければならない。第2話演出の金井絋氏は、人間のダサい部分をカッコよく見せたりと、登場人物の奥行きを表現する力に長けている。今回の吉瀬美智子扮するリゾート王も、ただ金と権力にがめつい悪人ではなく、ポリシーを持った人物として映していた。

 現場の人々の頑張りに、会議室の人間は応えられているのだろうか? 本作品の一ファンとして視聴率の上昇を願いつつ、第3話の放映も楽しみにしたい。

(文=許婚亭ちん宝)

最終更新:2018/04/25 17:33
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