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『コンフィデンスマンJP』見飽きたフジの“内輪盛り上がり”……ファン以外は楽しめない最終回!?

『コンフィデンスマンJP』公式ホームページより

 『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)、6月11日放送の最終話「コンフィデンスマン編」。

 詐欺に嫌気がさしたボクちゃん(東出昌大)は、ダー子(長澤まさみ)とリチャード(小日向文世)の元から去る。引っ越し屋の仕事を始めたボクちゃんは、新入りの従業員・鉢巻秀男(佐藤隆太)と出会う。半年前、鉢巻は結婚詐欺に遭っており、金をだまし取ったのがダー子とリチャードという疑惑が浮上。憤ったボクちゃんはダー子たちが隠れ住むホテルの一室に鉢巻を連れて行く。そこで鉢巻は本性をあらわし、引き連れてきたマフィアとともにダー子たち3人を監禁。鉢巻の真の目的は、中国系マフィアであった父親・孫秀波(麿赤兒)が騙し取られた15億円をダー子たちから取り戻すことだった。

 以上が最終話のつかみ。ラストには大どんでん返しが待っており、SNSでもネットニュースでも「すごい!」「騙された!」などの絶賛の声が相次いだ。

 しかし、本当に賞賛に値する最終回と言えるのだろうか? 喜んでいるのは作品のファンだけではないのか? 最終回で初めて見た視聴者でもついていける内容だったのか?

「目に見えるものが真実とは限らない」という本作のコンセプトになぞらえ、最終話「コンフィデンスマン編」を批判的な目線で振り返りたい。

(これまでのレビューはこちらから)

■出た出た! 出ました! フジお得意の内輪盛り上がり

 賞賛されたラストのどんでん返しをネタバレすると、「最終話は第1話よりも前の物語でした」という時系列のトリック。【毎話ダー子たちの食事を配膳する外国人男性がマフィアの中にいた】や、【ボクちゃんの脱退の回数が1話の時より少ない(1話が400回目の脱退・最終話が398回目の脱退)】などの伏線が張り巡らされていた。

 1話から本作を見て来た私は、素敵なファンサービスだと感じた。しかし、冷静に考えれば、最終話で初めて見た人にとっても面白い内容なのか疑問に思った。

 そこで「コンフィデンスマン 初めて見た」で検索し、好意的なツイートを数えてみると15件前後。「コンフィデンスマン」だけで検索すればこの一週間で1万件近いツイートがあるのに比べ、初めて見た人のリアクションは薄いように思える。また、継続視聴していたファンのツイートの中にも、「中だるみを感じた」などの批判的な意見もある。

 原因は、絶賛されたどんでん返しのために伏線を配置する故に、無理にストーリーを押し進めてしまったせいだと考えられる。

 ラストでダー子たちは鉢巻からも15億円を騙し取るのであるが、「鉢巻秀男がファザコンだから銀行口座のパスワードは父親の言いつけ通りのものにしているだろう」と臆測だけで詐欺に及ぶのは、雑な計画と言える。また、最初から鉢巻を騙すつもりだったという後明かしも唐突過ぎる。一応、前フリとしてあったホテルの部屋番号が各話と違うという映像的伏線も、最終話だけを見た人にとっては「何のこっちゃ」という話である。

 ストーリーの面白さというより、ウォーリーを探せ的な面白さに寄せ過ぎたように思う。同じウォーリー的な楽しみで言えば、映画『サスペリア PART2』(1975年)の方が巧妙なので是非見てほしい。室内に隠れた殺人犯が意外な場所で一瞬映るという映像的伏線は見事だ。犯人捜しの物語で、犯人がチラッと映るのはストーリー上、意味を成している。

 本作に話を戻すと、初めて見た人にとっては鉢巻を騙す物語なのに、「実は最終話は第1話の直前の物語でした」と言われても、「だから何?」という感想しか湧かないだろう。

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