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“プロリーグ成功請負人”川淵三郎、麻雀プロリーグ「Mリーグ」を成功に導けるのか?

黙ってられるか』(新潮新書)

 初代Jリーグチェアマンであり、元日本サッカー協会(JFA)会長の川淵三郎氏が、今度は麻雀プロリーグ「Mリーグ」の最高顧問に就任した。

 10月の開幕に向け、サイバーエージェントをはじめ、電通、博報堂、テレビ朝日、コナミ、セガサミー、U-NEXTといった超一流企業が結束。初年度は1チームにつき80試合が行われ、リーグ戦で上位4チームが勝ち上がり、クライマックスシリーズ(プレイオフ)で優勝を決定する。賞金は5,000万円で、全試合AbemaTVで配信されるという。

 川淵氏といえば、サッカー関係者からも「絶対に成功しない」といわれたJリーグを今では野球に次ぐ人気プロリーグにまで育て上げ、2015年には泥沼状態だったバスケットボール界に請われる形で力を貸し、Bリーグ設立を成し遂げた。

 今回の就任に際し、川淵氏を“プロリーグ成功請負人”と紹介し、その“独裁力”を評価するマスコミが多いが、サッカー関係者はどう見ているのか? 話を聞いた。

「川淵さんの功績を語る上で、JリーグとJFAでの仕事ぶりを分けなければいけません」

 多くのサッカー関係者が「川淵氏なくしてJリーグの成功はなかった」とする一方で、JFA会長に就任してからの川淵氏には批判的な声が多い。一体なぜなのか?

「川淵さんがチェアマンだった時のJリーグというのは、いわばベンチャー企業なんです。オーナー社長にみんながついていく、宗教的なノリで成長していった。ですが、JFAは大企業です。地方のサッカー協会を傘下に収め、日本で最もマネーを稼ぐチームである日本代表を管轄する組織です。ベンチャー企業も上場して大企業になれば、株主の言うことも聞かなければいけませんし、社会的責任も出てきますよね。しかし川淵さんは、JFA会長になってからも、ベンチャー企業ノリの独裁を貫いた」(前出関係者)

 JFA会長時代の川淵氏が行った一番の独断は、2002年、ジーコを日本代表監督に就任させたことだろう。本来はJFA技術委員会が決め、会長が決裁するのだが、川淵氏の鶴の一声でジーコジャパンが誕生した。とはいえ、当初はメディアやファンにも好意的に受け止められていた。しかし、ジーコジャパンの雲行きが怪しくなってくると、川渕氏から笑顔が消える。

「とある試合の後、川淵さんと顔見知りの記者がジーコの話を振ると、『ジーコのことは今は関係ない!』と激高したんです。Jリーグ時代の川淵さんは非常にオープンな人だったのですが、180度変わりましたね」(同)

 JFA会長の重責と比例するように、川淵氏の元にはメディアやファンからのネガティヴな声が届く。一方、川淵氏は周囲をイエスマンで固め、Jリーグ時代とは違い、ファンの声を聞かなくなってしまった。

「川淵さんは、インフラが整っていない状況の小さい組織では決断力でリーダーシップを発揮します。Bリーグが、いい例ですよね。ですが、大きな組織では、周囲の意見をうまく吸い上げられないために、独裁になってしまう。それは川淵さんだけの問題でなく、大きな組織をまとめる上で必要な“右腕”がいないんです。川淵さんは高学歴者を優遇しがちで、本当に必要な右腕を作れなかった」(同)

 成り上がりのベンチャー経営者が、上場した途端に、社外取締役にうさん臭いコンサルタントを入れて失敗する――川淵氏の罪は、組織を大きくした後にある。そういった意味では、ベンチャー的な「Mリーグ」は成功に導けることだろう。

(文=TV Journal編集部)

最終更新:2018/08/02 18:00
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