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じゃまおくんのザオリク的マンガ読み 

ツラすぎて直視できない……薄毛ラブコメ漫画の最高峰『ハゲしいな桜井くん』

ハゲしいな桜井くん

 40過ぎてもいまだに髪がフッサフサの男性がいたら、絶対ヅラだと思うことにしています(自己防衛のため)、こんにちは。男性にとって永遠のテーマであり、非常に深刻なテーマである「薄毛」。トレンディエンジェルがブレークしたこともあり、勘違いしている人もいるかもしれませんが、どんなにハゲをいじられてニコニコしている人でも、例外なく心は深く傷ついているんです。あまり気軽に「ハゲ」「ハゲ」言うのはやめましょうね。もちろん「このハゲー!」などと罵倒するのは論外。こういうのを“ハゲハラ”っていうんですよ!

……と、ここまで書いておいてなんですが、今回ご紹介するのは、マンガ史上、かつてないほどにハゲしく、ハゲをイジり倒した作品。世の薄毛男性諸君が、ヅラ……もといツラすぎて読むことができない薄毛ラブコメディ。その名も『ハゲしいな!桜井くん』です。

 高倉あつこ先生による作品で、1989~1993年まで「週刊少年マガジン」(講談社)で連載されていました。続編として『ハゲしいな!桜井くん 新婚編』『ハゲまして!桜井くん』という作品も出ていますが、一連のタイトルを見るだけでも「あ、着々と進行してるんだな」とわかりますね。

 主人公の桜井弘也は18歳の高校生。ハンサムな顔立ちでスタイルもよく、おまけに秀才という、ほぼ完璧な男子――ただ一点を除いては。もう、おわかりですよね? そう、10代にして若ハゲが絶賛進行中だったのです。普段は前髪で隠しているものの、かき上げると広大な額がデデーンと広がります。おまけに兄や父親も、それはもう見事なハゲ散らかしっぷり。家系レベルで抗うことができない運命(さだめ)が待っているのです。

 そんな桜井くんに、ちづかちゃんというかわいい彼女ができました。しかし、彼女にはまだハゲだとバレてません。もしバレたらフラれるかもしれないという不安から、水際ならぬ生え際の攻防を繰り広げることになります。

 外出時は必ず帽子をかぶり、風の強いところは歩かない、デートコースは「映画館」「博物館」「美術館」などのインドア系で、遊園地やプールはもちろんNG。体育でハチマキをする時は前髪の上に巻くスタイルなどなど、見る人が見ればいろいろと不自然なのですが、それでも彼女にはバレていません。

 しかし、気づいていないがゆえに、無邪気で天然なちづかちゃんが容赦なく浴びせるハゲ殺しのセリフが、まるで尖ったナイフのように突き刺さります。

「桜井さんていったいいくつ帽子持ってるんですか?」

「桜井さんてずいぶんオデコが広いんですね」

「やだぁ桜井さん、ハチマキのしかたがヘンですよォ」

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