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仲間になったり裏切ったり 女の子の世界は難しい――ドラマ『チア☆ダン』第4話

 ドラマでも描かれているように、女の子は、自分がどこの集団に属しているのかを強く意識している。みんなと仲良くしたいけれど、チアリーダー部の上級生がチアダンス部につらく当たるので、同じようにせざるを得ない芙美や、本当は茉希に強く意見したいけれど、相手の反応が怖くて言うことができない妙子(大友花恋)などは象徴的だ。

 比較的、「気が合うか合わないか」というような二元論で、仲良くしたり、そうでなかったりするだけのような男子からしてみれば、気遣いばかりで息が詰まるように見える。

 一度はメンバーの反対にあい、出演をやめたお祭りだったが、顧問の漆戸(オダギリジョー)の説得もあり出場することになる。漆戸は、この経験を通して、チアに必要なものを何かつかんでほしいと考えたのだ。

 もちろん、出るならば全員でパフォーマンスしたい。汐里は、練習に来なくなった茉希を心配し、説得しようと試みる。そこで、茉希から、過去のつらい経験を聞くことになる。茉希は、かつて親友に裏切られたことがあり、それ以来、心を閉ざしてしまっていたのだ。

「どうせ裏切られるのなら、最初から信じないほうがいい」そう話す茉希に、汐里は、皆のことが信じられるようになるまで、無理に輪に入らなくていい、それでも練習には来て欲しいと伝える。

 翌日、部室で待つメンバーの元に、茉希が現れる。全員揃って、お祭りに出ることができるのだ。

 そうしてやってきたお祭りの日。ROCKETSが選んだ曲は、ブルーハーツの「人にやさしく」。人にやさしくしてもらえない誰かに、僕が「頑張れ」って言ってやる――そんな力強く励ます曲は、「誰かを励ますために踊る」というチアダンスの精神そのものだ。思えば、その後の時代を経ても、常に「人を励ます曲」という系譜は、面々と続いているように思う。このドラマの主題歌を歌っているサンボマスターなども、まさにその流れの中にあると言っていいだろう。

 祭りでは、ROCKETSのパフォーマンスに、徐々に人が集まってくる。踊り終えた時には、アンコールの声が上がるまでになっていた。確かな手応えを感じたメンバーたち。わかばは気づく、たとえどんなにダンスがうまくなっても、誰かを心から応援する気持ちがなかったら意味がない。大切なのはチアスピリッツなのだと。

 祭りの後、踊りを見ていたチアリーダー部の芙美と、カンナ(足立佳奈)が入部したいと申し出る。仲間が増えたのだ。こうして10人体制となったROCKETSだったが、まだまだ女の戦いは続きそうだ。

 女の子の世界はめんどくさい。自分は男で楽だったな、と思ったりもする。でも、ドラマのシーンのように、女の子の集団がみんなで楽しそうにしているのを見ると、「女の子っていいよなぁ」と思ってしまうのもまた事実なのだ。男の身勝手な感想である。

(文=プレヤード)

最終更新:2018/08/20 13:02
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