大人女子から共感と悲鳴の嵐！『サバイバル・ウェディング』演技派・風間俊介がもたらす明と暗

■黒王子・風間俊介と白王子・吉沢亮

　マスカラが落ち、目の下が黒くなったパンダ目で泣きじゃくる波瑠ちゃんの姿がなんとも切なかった今話。C＆Kが歌う主題歌「ドラマ」も、本来の明るいアップテンポ調ではなく、バラード調だったのでより歌詞が胸に刺さり、ドラマを盛り上げていたように思います。

　弱って元カレに甘えた結果、メンタルをボコボコにされるというエピソードには、大人女子から「あるあるすぎる」「しんどさの極み」「本当に痛いほど身に染みる」と共感の声が。

　それを煽ったのが、なんといっても“クズヤ”こと和也を演じている風間俊介の演技力でしょう。和也は“さやかの高校時代からの憧れの先輩”という設定だけに、どちらかと言うと、ルックスより演技面での評価が高いかざぽんが演じることに「無理ありすぎ」という声もありましたが、かざぽんによって和也の“クズさ”が引き出され、対照的に吉沢くん演じる祐一の“王子様感”がどんどん際立ってきます。

　寂しげな表情で「本当に終わっちゃうような気がしたんだ」って、ブーケを口実に部屋に誘う和也に、「浮気して終わらせたのはお前だよ」ってツッコミたくなったのは、私だけではないはずです。

　冷たく高圧的な態度をとったかと思えば、今回のように優しい声色で弱ってるさやかにつけ込んだりと、かざぽんファンとおぼしき人からは「クズ役似合いすぎ」「たまらん」と好評の一方で、一般視聴者からは、「胸糞悪い」「めっちゃ怖い」という声が続出。中には、あまりのクズ男ぶりに、「風間俊介が死ぬ程嫌いになった」「早くストーリーから退場してほしい」という批判的な声も。それほど、かざぽんが役を自分のものにしているということなんだと思います。

　先ほども書いたように、吉沢くん演じる祐一は、ぐんぐん株を上げています。特に今話では、さやかが年上だと確実に気がついているはずなのに、敬語ではなくタメ口でメールを送ってきた王子に、「イケメンで優しい柏木王子最高」「王子の破壊力強すぎる」「こんなの好きになるしか選択肢ない」と視聴者も興奮。

　漫画の実写化作品に多数出演しており、ティーン層を中心に絶大な人気を得ている吉沢くんですが、今作で、大人女子からの人気をグンと上げそうです。

■でも、視聴率は伸びない……

　編集長・宇佐美の恋愛戦略には、「名言だらけ」「私も伊勢谷友介みたいな人にキチンと教えて欲しかった」と、今話も視聴者のツボを押さえていたようですし、多香子が川村製薬の部長と不倫をしていたり、買い物袋をぶら下げた編集長が寂しげに商店街の路地裏に消えて入ったり、実はみんな何かしらの問題を抱えている……という描写も、リアル感があって、とってもよかったです。

　しかし、3話から続けて視聴率10％を切ってしまうという惨状……。コンプライアンスが厳しくなっている昨今に「結婚できなければクビ」という宇佐美のパワハラ発言や、「結婚＝幸せ」という価値観を押し付ける物語が、見る人を選んでしまっているのかもしれません。あとは、これまで書いてきたように、「リアル感の無さとストーリーのモタモタ感」くらいしか、これといった理由が見当たりません。

　巷で話題の婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』（Amazonプライム）のように、さやかと美里がバッチバチのバトルを繰り広げたら、視聴率もアップするかも!?　もちろん、冗談ですが。

　今夜放送の5話では、宇佐美と祐一がご対面するようなので、さやかをめぐって男同士のバトルを繰り広げるのか否か、今回とはまた違った修羅場展開に期待したいところです。

（文＝どらまっ子TAROちゃん）