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これって報道番組? 有働由美子アナの新生『zero』好発進も……『あさイチ』ノリのまま!?

日本テレビ系『news zero』番組公式サイトより

 3月いっぱいでNHKを退局した有働由美子アナがメインキャスターに就任した、新生『news zero』(日本テレビ系)が1日にスタートした。同日の視聴率は10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とギリギリ2ケタに乗せたが、同番組の視聴者にとっては、違和感たっぷりの船出となったようだ。

 9月最終週の視聴率は、24日=7.8%、25日=8.5%、26日=7.5%、27日=7.9%、28日=5.5%で、その週と比べると、かなりアップしたように見える。だが、前4週の平均は9.3%で、10月1日の視聴率は微増といったところ。

「前身である『NEWS ZERO』の視聴率は、故・小林麻央さん、鈴江奈々アナ、山岸舞彩らが出演していた頃は2ケタ超えも珍しくありませんでした。しかし、山岸が降板後、地味な久野静香アナ、フリーの小正裕佳子アナがサブキャスターを務めるようになると、視聴率も低迷していました。元NHKのエースである有働アナがメインキャスターに就任した初日は、好奇心から、ふだん見ていない視聴者も多数見たでしょうから、10%突破は当然。問題は今後、それをキープしていけるかどうかで、前任の村尾信尚氏の時代と、たいして数字が変わらなければ、有働アナを投入した意味はありません」(テレビ誌関係者)

 有働アナの就任に合わせて、日テレでは番組タイトル表記を変更し、オープニングテーマ曲もマイナーチェンジするなど、まさに“VIP待遇”で迎えた。初日は、有働アナのあいさつから始まったが、噛んだり、言葉が出てこなかったりする場面も多く、使用する言葉遣いも、とても報道アナのそれではなかった。ノリ的には、有働アナが3月まで担当していた『あさイチ』を見ているような雰囲気だった。

 有働アナの提案もあり、番組テーマは「みなさんと一緒に考えるニュース番組」で、Twitterを通じて、視聴者からの意見を募集するようになった。だが、このシステムは古巣の『ニュースチェック11』で取り入れており、“企画パクリ”といわれても否定できそうにない。

 2日の放送では、日テレにレギュラー番組をもたないタレント・タモリとの対談がオンエアされたが、報道番組に必要な内容とはとても思えず、有働アナの自己満足企画そのものだった。

 日テレは否定しているものの、有働アナのパートナーに内定していたとされる、前報道局の青山和弘氏がセクハラ疑惑で他部署に飛ばされ、強力なサポート役は不在。ニュースを担当するのが、報道経験が浅い岩本乃蒼アナと畑下由佳アナでは、なんとも心もとない。“頼みの綱”は、有働アナが続投を希望したという嵐・櫻井翔だが、月曜日しか出演しないため、ほかの曜日は、頼れる人物がいない。

「有働アナは、かつて『おはよう日本』や『NHKニュース10』で報道の経験はありますが、それは遠い昔の話。近年は『あさイチ』の担当が長かったため、ノリは完全に情報番組。“報道”を見たい視聴者にとっては、新生『zero』はちょっと厳しい印象です」(同)

 NHK退局後、有働アナは「現場取材にこだわったジャーナリスト」を標榜したはずだが、現状、現場に赴くわけでもなく、自身の見解を述べるわけでもないだけに、その道は通そう。タモリとの対談で喜んでいるようでは、とても報道番組のメインキャスターとしての責任をまっとうしているとはいえそうにない。それでも、日テレ的には数字さえ取ってくれれば問題はないのだろうが……。
(文=田中七男)

最終更新:2018/10/05 20:00
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