日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 古民家で楽しむ『偽りのオムライス』
ホントにうまいのか? 珍級グルメハンター第96回

のんびりした街ののんびりした店で楽しむ『地獄のジンジャエール』と『偽りのオムライス』

 黒くない。

 予想を覆して、オムライスは黄色い。まるで普通のオムライスじゃないか。

 その、「だまされた感」に驚く客が多いのか、ショートヘアのかわいいスタッフは、筆者の反応を見ようと視界の端っこで、若干顔を覗き込んでいるのだ。

 ならば、あえて普通の表情をしてやろうと、ひねくれ者の筆者は驚きの表情をこらえ、「これくらいフツー」という、能面のような無表情でオムライス(黒)を、逆に傍観してやるのだった。

 どうだ、かわいいスタッフ、まいったか。

 スタッフが悲しみに暮れ、奥に消えたところで黒いはずの黄色いオムライスを、筆者ひとりで楽しむ。

「ふむふむ、レアな薄焼き卵のオムライスのてっぺんにきざみネギとは珍しいな。それにこの赤いパウダーはカイエンペッパーか?」

 さらに辛味で追い討ちをかけるつもりかと、粉だけ舐めてみたが、辛くはなかったのでパプリカパウダーだろうか。

 それにしても(黒)の意味は?

 こんもり膨らんだオムライスの小山の裾をめくってみると、ハハーン……。よく見ると、卵焼きの薄い部分からもチラ見えしている。さっきすれ違った金髪美女と同じではないか(笑)。

 サムネイルで見ると、ひじきかと思ってしまう黒いライスは、普通のオムライスのライスよりテカテカで、固めのリゾット風だ。具は何が入っているのが探ってみたが、まるで闇鍋のよう。イカっぽい食感はあったのだが、果たして……。

 卵焼きの味もプレーンで、ライスが(黒)って以外は、ただのおいしいオムライスなのだった。となると、あと気になるのは、「スーパーマリオフライ」と「JOJOの奇妙なポテサラ」か。

 にしても、この店の古さよ。築年数100年近くで、昔は酒屋と子どもの運動靴などを売る文房具屋だったそうな。大人と子ども、両方を相手に商売繁昌だったそうな……。

 店名のとおり、のんびりするにはうってつけのカフェである。オムライス(黒)、うもうございました。

 

谷中 散ポタカフェ のんびりや「オムライス【黒】」850円

SNS映え  ☆☆
味     ☆☆☆
珍級度   ☆☆

(写真・文=よしよし)

最終更新:2019/11/28 19:02
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