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「歩行者識別システム」導入で反政府主義者を一斉検挙!? 中国”デストピア化”進む

歩行者識別システム発表会の様子

 テクノロジーの発展著しい中国だが、その裏では最新技術を駆使した監視体制が強化されている。2012年から政府によって導入が開始されたAI搭載型の顔認識監視カメラシステム「天網」はすでに約1億7,000万台に上り、指名手配犯2,000人を摘発した実績がある。

 そんな中、「自由時報」(11月7日付)によると今月、北京市内のAIテクノロジー企業・北京銀河水滴科技公司が、歩行時の身体的特徴から特定の人物を識別する「歩行者識別システム」を完成させたという。

中国国営放送・CCTVでも特集が組まれるなど、大きな注目を集めている

 同システムでは、1時間分の映像解析に10分ほどの時間を要するが、その精度は94%。カメラから50メートル以上離れて撮影された人物映像であっても、問題なく個人特定に成功しており、後ろ姿の映像や顔を隠した状態の映像でも判別が可能だという。

 同社の公式サイトでは、「人間は外見をどのように変化させても、歩行時の特徴だけは絶対に隠すことはできない」としている。また、すでに上海と北京で実験的に使用されているという。現在、中国全土を顔認識システムによる監視下に置いている中国政府だが、今後はこの歩行者識別システムも併用していくことで、より正確な指名手配犯の検挙に役立てていくとみられている。

 一方で、人物認識システムの技術革新が相次ぐ裏には、反政府活動家をはじめとする市民の監視を強化したいという、中国政府の意図も見え隠れする。同社創業者でCEOの黄永禎氏も、国務院直属の最高研究機関・中国科学院の研究員だった過去があり、今でも政府とのつながりが指摘されている。

 中国全土に配置された監視カメラの数は、すでに2億台以上。当局の監視の目からは誰も逃れることはできないのだ。

(文=青山大樹)

最終更新:2018/11/15 18:00
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