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芸能人やインフルエンサーは抽選免除⁉ 千代田区長タワマン優遇購入で分かった抽選販売のウソ

東京湾岸エリアで売り出し中のタワーマンション

 圧勝による再選を果たした小池都知事だが、彼女の“側近”ともいわれる人物に疑惑が浮上している。

 東京都千代田区の石川雅己区長(79)が、区内の高級マンション購入時に、業者から優遇措置を受けていたのだ。

「週刊文春」(文藝春秋)などが報じたところによると、2018年1月、石川区長は妻や次男と共同名義で千代田区三番町のタワーマンションを三井不動産レジデンシャルから購入した。同マンションの多くの部屋は一般向けには抽選販売とっていたが、区長が購入した部屋は地権者などに限定して販売される「事業協力者住戸」で、抽選も免除されるかっこうとなっていたのだ。ちなみに石川区長は、このマンションの地権者ではなかった。

 千代田区議会では、これが便宜供与にあたるとして百条委員会を設置。同マンションが容積率が緩和される区の「総合設計制度」の許可を受けていることなどから、三井不動産レジデンシャルの間に癒着があった疑惑が追及されている。

 ただ、マンション抽選販売で優遇を受けるには、区長にまでならなくてもいいようだ。

「タワーマンションの抽選販売など、ほとんど『形だけ』。購入希望者の属性によって当選率が大きく変動します」と話すのは、大手マンションディベロッパーの元社員だ。

「例えば、住んでもらうことで、そのマンションのディベロッパーである我々のイメージを高めてくれそうな芸能人や著名人は、優先的に購入権を割り当てます。私がいた会社では、付き合いのある人気マンションブロガーを優先的に『当選』させたことがありました。ディベロッパーは、一定以上の影響のあるマンションブロガーには、好意的な記事を書いてもらうために、金品授受を含めた交流がありますので……。我々は、そうした特別扱いの購入希望者を『枠外』と呼んでいました」

 一方で、逆に属性が低い購入希望者の当選確率が上がるケースもあったという。

「価格帯の安い部屋に、複数の購入希望が入った場合、営業担当者からの情報などによって、その中でも『予算が少ない』とみなされる希望者を当選させることはよくありました。もう少し予算がある購入希望者には、より高価格帯の部屋で空きが出た場合に、そちらを購入してもらうよう説得することができますから」

 タワマンといえば、高層階住民と低層階住民の間に横たわる「階層カースト」が話題となるが、住民格差は購入前から始まっているのだ。

伊芸有象(ルポライター)

1980年生まれ。在京新聞社や週刊誌を十数年渡り歩き、フリーのルポライターとして活動。犯罪や貧困問題などを精力的に取材している。

いげいゆうぞう

最終更新:2020/07/18 15:00
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