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電通に政府の仕事を丸投げできなくなったら、どこが引き受けるの? 「悪の政商」呼ばわりへの反論を聞く

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電通

「日本政府の弱さ」をさまざまな形で露呈した新型コロナ禍。感染者や犠牲者が世界的に見て非常に少なかったのに、政府に対する国民の評価が低く、ネットには多くの不満が上がっている。

 政府とともにやり玉に挙がったのが、国の事業を引き受けた大手企業だ。中でも大手広告会社の電通グループは、昨年春から始まった「持続化給付金」事業への関わり方が不透明だとして激しい批判にさらされた。

 とはいえ、事業は割に合うものではなく、実態は「悪の政商」とはほど遠いという声もある。いま政府から民間企業へ委託されている事業に、どのような問題が起きているのか。元電通のグループ会社社員で、現在は政府機関で働く関係者のA氏に、匿名を条件に話を聞いた。

「国の業務を請け負う社団法人」を作ったのは経産省説

――ネットで悪役扱いされている電通と政府との関係ですが、率直にどう感じていますか。

A氏 確かに電通は嫌われていますよね。そう言われる理由はわからないでもないですが、実際にはそんな大きな影響力はないですよ、残念ながら。

――2020年の経産省(中小企業庁)の持続化給付金事業で、一般社団法人サービスデザイン推進協議会(サ推)が受けた仕事を、委託費の97%で電通に再委託したことが問題視されました。

A氏 あれはサ推が決算公告をしていなかったとか、法人として実体に乏しいように見えたとか、問題がなかったとはいえませんが、疑惑を電通に向けるのは筋違いでしょう。

――「国の業務を請け負う隠れ蓑」として、電通がサ推を作ったという記事もありました。

A氏 それは逆です。サ推は経産省が主導で作った社団法人であって、電通は政府に協力したといった方が実態に近い。事業の利益率も大して高くないのに、会見(2020年6月)まで開かされて頭を下げさせられて気の毒だなと思いました。それでもクライアントを立てて、頭を下げちゃうのが電通なんですけど。

――経産省は、なぜ電通を必要としたのですか。

A氏 経産省というのは、他の省庁のような「現場」を持っていないんです。本省の人数もかなり減らされていますが、厚労省であれば保健所、財務省であれば税務署などの組織がありますが、経産省にはそのような手足となって働く実行部隊がありません。

 かつては各省庁に、特別法人とか外郭団体という存在がありましたが、天下り批判や行財政改革の流れの中で、そういった団体が整理されてしまい、仕事の出し先がなくなってしまった。

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