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レコ大受賞Da-iCEに「知らない」という声が上がる日本の音楽業界の構造的問題

レコ大受賞Da-iCEに「知らない」という声が上がる日本の音楽業界の構造的問題の画像
Da-iCE(『輝く!日本レコード大賞』公式Twitterより)

 2021年の「第63回日本レコード大賞」が12月30日、TBS系の中継番組『輝く!日本レコード大賞』の中で発表され、5人組ダンス&ボーカルグループ・Da-iCEの「CITRUS」が大賞を受賞した。

「元々は2021年10月期の日本テレビ系日曜ドラマ『極主夫道』の主題歌ですが、昨年じわじわとヒット。9月までにストリーミングサービスにおける再生回数が累計1億回に達し、日本人男性ダンス&ボーカルグループでは史上初の記録となりました。また、YouTubeやTikTokといった動画SNSで歌ってみた動画なども多くアップされており、UGC(User Generated Contents。一般ユーザーによって作られたコンテンツのこと)を合わせると8月のうちに総再生回数は2億回を突破。CDセールスこそ少ないですが、ストリーミング全盛のこの時代には十分すぎるヒットです」(音楽ライター)

 しかし、この受賞に対し「グループも楽曲もどっちも知らない」「え? だれ?」「レコ大で初めて知ったグループ」といった声が数多く上がった。Twitterでも「レコ大」を検索するとサジェスト候補に「誰」という言葉が出てくる始末だ。ここに、日本の音楽業界における根深い問題が表れているという。

「Da-iCEは、ゴールデンプライム帯の音楽番組にほとんどといっていいほど出演できておらず、日本の音楽番組の代名詞ともいえる『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)には一度も呼ばれていません。大賞としてはヒットの規模がやや小さいのではとの指摘もありますが、そもそもこうした番組に出させてもらえていないのですから、知名度を広げるのも難しい。受賞ニュースのコメント欄にはDa-iCEについて『わりと歌番組とか見てるほうですが、存じ上げない歌手の方たちです』といった投稿もありましたが、これが象徴的ですよね。楽曲はヒットしているのにもかかわらず、主要音楽番組が彼らを取り上げないためにこうした状況が生まれるわけです」(同上)

 たとえば11月から12月にかけての主な音楽特番には、『ベストヒット歌謡祭』(日本テレビ系)『ベストアーティスト』(同)『FNS歌謡祭』第1夜・第2夜(フジテレビ系)『CDTV ライブ! ライブ!』4時間SP(TBS系)『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE2021』(テレビ朝日系)があった。この5番組の中でDa-iCEが出演できたのは、『ベストヒット歌謡祭』と『FNS歌謡祭』(第2夜)のみだが、「CITRUS」を披露できた番組となると、関西ローカルの読売テレビ制作である『ベストヒット歌謡祭』のみだった。

 対して、レコード大賞候補の中でも有力と見られたLiSAは『ベストヒット歌謡祭』を除いてすべて出演しており、いずれも候補曲である「明け星」を披露している。

 こうした年末特番をのぞいても、そもそもDa-iCEが「CITRUS」をテレビ番組で披露できた機会はほぼ深夜帯に限られた。こうした状況は“ジャニーズ忖度”の影響が強いという。

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