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チーフエディター/佐藤彰純
エディター/北村千晶
デザイナー/cyzo design
Webデザイナー/石丸雅己
広告ディレクター/甲州一隆
ライター(五十音順)
竹辻倫子※/田幸和歌子※
長野辰次※/平松優子※
プロデューサー/川原崎晋裕
パブリッシャー/揖斐憲
※=外部スタッフ

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芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第104回


ロバート コント日本一をかっさらった暴風雨・秋山竜次の芝居に宿る「殺気の正体」



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『キングオブコント2011』
(よしもとアール・アンド・シー)

 深夜のコント番組だった頃の『はねるのトびら』(フジテレビ系)で、ロバートの秋山竜次を初めて見たときの衝撃は忘れられない。生きのいい新世代芸人がそろっていたこの番組の中でも、秋山の存在感は別格だった。アクの強い破天荒なキャラクターを演じて、勢いだけで一方的に場をかき回し、根こそぎ笑いをさらっていく。ウド鈴木のような愛される天然ボケでもなく、江頭2:50のような体を張った力づくのボケでもない。破壊力のあるキャラクターを演技とも本気ともつかないテンションで演じ切ることで笑いを生み出すというのは、今まで見たこともない革新的な芸風だった。

 秋山は、ロバートというトリオの中でも間違いなく中心的な存在であり、桁外れの破壊力を秘めた核弾頭の役割を果たしている。彼らのコントでは、秋山がエキセントリックな人物を演じてその空間を完全に支配してしまう、というのが常道になっている。いわば、秋山は、周りの全てを巻き込む嵐となることで光り輝くのだ。馬場裕之と山本博は、そんな秋山になすすべもなく巻き込まれてしまう被害者の立場を演じる。同じボケという役回りとして同調気味に巻き込まれていくのが馬場で、ツッコミ役として違和感を表明しながらしぶしぶ巻き込まれてしまうのが山本、という役割上の区別があるだけだ。馬場も山本も、それぞれ単独ではかなり薄味の芸風である。だが、秋山という絶対的な存在が近くにいることで、彼らは秋山を邪魔せずに、その暴風を体全体で受け止める被害者としての役目をきっちりと果たすことができる。


2011.12.03 土  

芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第103回


TKO 不遇を乗り越えたかつてのアイドル芸人が「太って咲かせた、もう一花」



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『TKO 修行』(ジェネオン
エンタテインメント)

 お笑い芸人を評価する際に「華がある」「華がない」といった表現が使われることがある。そして、華があることがあたかも売れるための絶対条件であるかのように語られたりする。業界内で実際にそう思っている人間も多い。「華がある」というフレーズの具体的な意味は必ずしも明確ではないのだが、人々は確実に「華」という言葉で何かを理解し合って、それを芸人を測る尺度として用いようとする。

 その物差しで測った場合、1990年代前半のデビュー当初のTKOは、明らかに華のあるタイプの芸人だった。2人とも身長180センチ前後の長身で、はっきりした顔立ちの男前。服装も妙にこじゃれていた。ネタの中にもボイスパーカッションを折り込むなど、あか抜けたセンスを感じさせるものがあった。芸人離れしたルックスを誇る2人は、アイドル芸人として若い女性ファンにも支持されて、輝きを放っていた。


2011.06.08 水  

芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第102回


オアシズ それぞれにブスを昇華した「現実と空想のアンサンブル」



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『不細工な友情』幻冬社

 1月27日放送の『アメトーーク』(テレビ朝日)では、「39(サンキュー)オアシズ姐さん」という企画が放送されていた。森三中、北陽、いとうあさこ、椿鬼奴という女芸人たちが集まり、普段から世話になっているオアシズの2人を囲んで、トークを展開していた。

 かつてはテレビの世界でも希少生物だった「女芸人」という存在は、今ではさほど珍しいものではなくなった。なぜそうなったかと言えば、テレビの中の女芸人がいつのまにか道化であることを脱却して、単なる一般人女性の代表になったからだ。彼女たちは、自らの身体的欠陥や女性的な性格を誇張することをやめて、普通の女性にとって身近な存在となることで、存在意義を獲得した。

 そんな時代の転換点を生き抜いてきたのが、オアシズの光浦靖子と大久保佳代子だ。彼女たちは、一種の「ブスキャラ」として頭角を現して、それ以降はブスキャラにつきまとうキワモノ感を少しずつ脱臭させていくことで、テレビの中で一定の居場所を確保することができるようになった。ただ、彼女たちが現在の地位を築くためにやってきたことの内容は、光浦と大久保で180度異なっている。


2011.02.14 月  

芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第101回


スリムクラブ 最後のM-1を駆け抜けた「超スローテンポという革命」



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 「スリムクラブ内間のBLOG」より

 2010年の「M-1グランプリ」は、最後のM-1にふさわしい大激戦となった。9年連続決勝進出の笑い飯が何とか逃げ切って念願の優勝を果たしたものの、彼らは最後までスリムクラブの猛追に脅かされていた。決勝初登場のスリムクラブは優勝こそ逃したものの、インパクト抜群の芸風で日本中に衝撃を与えた。彼らのもとには、その日のうちに約160件のテレビ出演・メディア取材のオファーが寄せられたという。

 スリムクラブが決勝の舞台で披露した漫才は、M-1の長い歴史の中でも珍しい「超スローテンポ漫才」だった。彼らは、意図的にセリフとセリフの間にたっぷり間合いを取り、ゆっくりと話を進めていった。その斬新なスタイルが評価されて、彼らは準優勝を成し遂げたのである。

 それまでのM-1では、テンポの遅い漫才は不利だとされてきた。実際、過去に優勝・準優勝を果たした芸人の大半が、スピード感のある掛け合いを得意とするコンビである。一般に、漫才では速いテンポでネタを進めていく方が、観客を乗せやすく、爆笑を起こしやすいと言われている。日常会話に近いゆったりしたテンポの漫才を演じるおぎやはぎ、POISON GIRL BAND、変ホ長調といった芸人は、決勝の場で今ひとつ結果を出せていない。


2011.01.27 木  


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お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第100回


レイザーラモンRG "吉本団体芸"が生んだ「強心臓のニューヒーロー」



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レイザーラモンRGの『まさかのTRUE LOVE』より

 2011年に入っても、テレビお笑い界では相変わらず、吉本興業の一極集中・一元支配の状況は続いている。人気芸人を次々とテレビに送り込み、番組制作にまで携わるその圧倒的な影響力はますます強くなる一方だ。

 そんな中で、テレビバラエティの世界でも、吉本芸人に見られるひとつの特徴がある。それは、彼らだけが数的優位を生かして、一体感を持った団体芸を披露できる、ということだ。楽屋でのやりとりやプライベートでの付き合いを前提にして自分たちの世界を作り上げることができる、というのは彼らにとって大きなメリットだ。『アメトーーク』(テレビ朝日系)などのひな壇型トークバラエティで行われていることの多くは、そういった吉本流の団体芸によるものだ。

 そんな中で、吉本が生んだ時代のニューヒーローとでも呼べる人物が近年、脚光を浴びている。先輩芸人には愛され、ゲストとして番組に呼ばれると全力でいじり倒される。どれだけすべっても屈しないその心臓の強さは、お笑い界で尊敬を集めている。それは、レイザーラモンRGその人である。


2011.01.09 日  

芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第99回


麒麟 5度の決勝進出が「M-1グランプリの申し子」をどう変えたか



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『かわしまんざいたむらいぶ』
(よしもとアール・アンド・シー)

 12月12日、「M-1グランプリ2010」の準決勝が東京・両国国技館で行われ、決勝メンバー8組が決定した。また、M-1という大会そのものが今年で幕を下ろすということも発表された。

 過去にM-1に出場した人の中には、何度も決勝の舞台に上がった経験を持ち、常にM-1と共に語られるような芸人がいる。2001年の第1回大会以来、通算5回の決勝進出を果たした麒麟は、その代表格だ。

 第1回のM-1で、麒麟が審査員や視聴者に与えた衝撃は大きかった。中川家、ますだおかだなど、そこそこ名の知られた実力派芸人が並ぶ決勝メンバーの中で、芸歴4年、ほぼ無名の麒麟は異様な存在感を放っていた。彼らはこの舞台で守りに入らず、堂々と大博打を打った。わずか4分のネタの前半で伏線を張って、後半でそれを回収するという手の込んだ構成の漫才を演じたのだ。


2010.12.15 水  

芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第98回


ピース 噛み合わない2つの破片が力ずくで組み上げた「笑いのパズル」



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『∞男子寮~AGE AGE荘~』(ワニブックス)

 12月9日、書籍『∞男子寮~AGE AGE荘~』(ワニブックス)が発売される。これは、ピース、チーモンチョーチュウ、アームストロングといった吉本の若手芸人たちが入居する「∞男子寮」を舞台にしたフォトストーリーブック。本の中では、彼らは共同生活を行っているという設定になっている。発売日には、東京・福家書店新宿サブナード店にて握手会も開催される。

 ピースは、いま最も勢いに乗っている芸人のうちの1組だ。9月に行われたコントの大会「キングオブコント2010」で準優勝を果たしたあたりから一気に波に乗り、10月スタートの深夜バラエティー『ピカルの定理』(フジテレビ系)でもレギュラーに抜擢されるなど、着実に実績を重ねている。

 ピースの二人を見ていると、お笑いコンビの関係性には本当にいろいろなパターンがある、ということを改めて考えさせられる。よく言われることだが、ピースの綾部祐二と又吉直樹は、水と油とでも言うべき対照的な性格の持ち主だ。


2010.11.29 月  

芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第97回


次長課長 変幻自在のオールラウンダー河本を生かす、井上の「受け止めるツッコミ」



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『次長課長河本準一の何でしたっけ?
望郷篇』(よしもとアール・アンド・シー)

 すい炎が原因で休養に入っていた次長課長の河本準一が、11月2日の生放送番組『火曜サプライズ』(日本テレビ系)に出演して復帰を果たした。河本は10月6日に都内の病院に入院。すい炎と診断され、治療に専念していた。復帰に際して、河本は「このたび無事に退院することができました。ご心配、ご迷惑をおかけしました。今後ともよろしくお願いいたします」とコメントを発表していた。

 次長課長の河本準一は、お笑い界屈指のオールラウンド・プレイヤーである。『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)では、主に自分の母親や姉などの家族にまつわるエピソードを披露して、初期の同番組を盛り上げたキーパーソンの一人だった。また、ホスト時代に身につけたタンバリン芸、個性的な声質を生かしたものまね芸など、何をやっても器用にこなすお笑い的な身体能力の高さがある。水木しげる漫画の登場人物を思わせる顔つきが、情けなさと哀愁を醸し出して、彼の芸を一段と魅力的なものに見せている。


2010.11.18 木  


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お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第96回


オセロ松嶋尚美 大先輩・鶴瓶に見初められ「褒められて咲いた大輪の花」



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『松嶋裁判』(ワニブックス)

 10月25日、オセロの松嶋尚美が、都内で行われたカシオの腕時計ブランド「Baby-G」のイベントでトークショーを行った。遊び心に満ちたファッションでも知られる松嶋は、自らデザインを手がけた白い時計を披露。「男ウケを狙わなくなってから、ファッションが自由に自分らしくなった」と、松嶋流おしゃれの秘密を語っていた。

 人間には、褒められて伸びる人と叩かれて伸びる人がいる、と言われることがある。その分類に従うならば、松嶋は間違いなく前者のタイプの人間だ。彼女がタレントとして急成長を遂げたきっかけも、自分のキャラクターを好意的に評価してくれる先輩芸人との出会いだった。

 松嶋はもともと、ジャニーズアイドルの熱狂的なファンだった。憧れの人物に少しでも近づきたいという一心から、軽い気持ちで芸能界入り。事務所の都合でお笑い部門に移籍して、中島知子とコンビを結成した。


2010.11.08 月  

芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第95回


ダイノジ 雌伏16年──ついに訪れる「二頭の虎が目覚めるとき」



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『KING OF LIVE~手紙~』
(よしもとアールアンドシー)

 ダイノジとは何者なのか? この問いに答えるのは難しい。芸歴16年の彼らは、これまでに実に多彩な活動を展開してきた。どこをどう切り取るかによって、彼らのイメージは大きく変わる。

 若手時代には、コントと漫才の両方を器用にこなし、『爆笑オンエアバトル』(NHK)では常連として活躍。02年には「M-1グランプリ」でも決勝進出を果たす。若手らしからぬ貫禄のある風貌を生かして、青空球児・好児などのベテラン漫才師のネタをアレンジした漫才を披露して話題になったこともある。また、二人は音楽にも造詣が深く、DJイベント、音楽イベントを自ら主催している。

 さらに、「ダイノジ」の代名詞ともなっているのが「エアギター」である。巨漢の大地洋輔は、重厚なボディに似合わぬ切れのあるパフォーマンスを披露して、06年から07年にかけて「世界エアギター選手権」で二連覇を達成。エアギターの大ブームにも後押しされて、この時期にダイノジはテレビ番組にも多数出演。大胆に虎をあしらった揃いの衣装も印象的だった。


2010.10.21 木  

芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第94回


キングオブコメディ 極限の不運と"顔芸人"のレッテルを払拭して掴んだ「コント日本一」



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『キングオブコメディ単独ライブ Vol.6 「葉桜」』
(Contents League)

 お笑い芸人とは、自分たちの知恵や発想だけでなく、趣味、特技なども含めて、手持ちのあらゆる武器を臨機応変に使うことが求められる職業である。そんな彼らが持っている武器の中でも、最も重要なもののひとつが「顔」だ。顔や外見は芸人にとって名刺のようなものだ。顔面で笑いが取れる人、覚えやすい特徴的な顔をしている人は、それだけで他の芸人よりも一歩リードしていることになる。

 ただ、「笑いを取るための武器」としての顔の破壊力があまりに大きすぎると、それが時として邪魔になることもある。「悔しいです!」でおなじみのザブングル・加藤歩は、「何やっても顔芸だと言われる」とその苦労を語っていた。

 お笑い界には、加藤のように、「何やっても顔芸」という聖域に到達している者がいる。彼らのような「奇跡の顔面」の持ち主は、舞台に上がった瞬間から笑いが取れるというメリットがある一方で、どんなに優れたネタを演じても顔芸のイメージがつきまとう、というデメリットも抱えているのだ。いわば、「名前負け」のように、ネタが顔に負けてしまうという現象がしばしば起こるのである。


2010.10.11 月  

芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第93回


山田邦子 史上初の「天下を取った女芸人」その栄光と転落のタレント人生



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『ゴールデン☆ベスト 山田邦子』
(ビクターエンタテイメント)

 お笑い芸人の出世の歩みは、しばしば戦国武将に例えられる。激しい競争を勝ち抜いて、自分の名前が付いた冠番組を獲得した芸人は「一国一城の主」となり、それが高視聴率をキープして、レギュラー番組が際限なく増えていく波に乗り始めると、「天下を取った」と言われるようになる。現在では、テレビに出る芸人の頭数も増えて、若手がゼロからスタートして天下を取ることは容易ではなくなってきた。

 1980年代後半から90年代前半のバラエティー業界を振り返ると、そこには何人かのスタープレーヤーがいた。その中でも、女性芸人で唯一、「天下を取った」と言われていた人物がいた。それが、山田邦子である。


2010.10.01 金  


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お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第92回


エレキコミック 一度ハマるとクセになる!?「一点突破の納豆コント」



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『エレキコミックの本』(太田出版)

 9月18日、エレキコミックがDVD『中2のアプリ』の発売イベントを東京・タワーレコード新宿店で行った。このDVDは、今年5月に東京・博品館劇場で行われた第19回の単独ライブの模様を収録したもの。彼らは23日開催の『キングオブコント2010』でも決勝戦進出を果たし、お笑いファンの間でも期待が高まっている。ボケ担当のやついいちろうは、「(『キングオブコント』は)もう僕らが優勝と決まっているみたいです」とジョークを飛ばす余裕を見せていた。

 エレキコミックは、1996年のコンビ結成以来、コントを持ちネタとして活動を続けてきた。彼らの演じるコントには、一貫した分かりやすい特徴がある。それは、「しつこさ」だ。やついが演じるキャラクターは、いずれも劣らぬほどにクドクドとしつこい人格の持ち主。相手の反応もお構いなしに、徹底して同じ種類の理不尽で強引なボケを浴びせ続ける。相方の今立はツッコミ役として、モグラ叩きの要領でやついの台詞ひとつひとつを丁寧につぶしていく。


2010.09.22 水  

芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第91回


野性爆弾 「遅れてきた吉本最終兵器」がブレイクを果たした秘密とは



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『野爆DVD in DVD 』
(よしもとアール・アンド・シー)

 8月1日、千原ジュニア(千原兄弟)とロッシー(野性爆弾)が主演する映画『無知との遭遇』が公開された。2人がロケで訪れた村には、ある秘密が潜んでいた。それは、村民全員が宇宙人だということ。やがて巨大UFOが現れ、ロッシーは宇宙規模の戦争へと巻き込まれていく。千原ジュニアの演技力とロッシーの天然キャラの魅力が詰まった異色の作品になっている。

 今田耕司、東野幸治、雨上がり決死隊、千原ジュニアといった関西芸人が本格的にブレイクしたここ数年の間に、彼らに引っ張り上げられるようにして、関西中心に活躍していたマニアックな芸風の芸人たちが、続々と全国区に進出している。ケンドーコバヤシやバッファロー吾郎はその典型だ。そんな中で、文字通りの「最終兵器」として、満を持して今年に入ってから本格的にテレビ出演の機会を増やしているのが、野性爆弾である。


2010.09.14 火  

芸能

お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第90回


野沢直子 今振り返るカリスマ女芸人の「先駆者としての比類なき存在感」



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『アップリケ』(ワニブックス)

 8月18日、米在住の「出稼ぎ芸人」として知られる野沢直子が、初めての小説『アップリケ』(ワニブックス)を出版した。この作品は、社会に適応できない子どもたちの青春を描いた群像劇。劇作家・本谷有希子も絶賛するほどの本格的な純文学に仕上がっている。

 現在30代以上のテレビ視聴者ならば、野沢直子の名前を知らない者はいないだろう。彼女は、1980年代後半から90年代初頭にかけて、女性芸人としては空前の大ブレイクを果たし、数々のバラエティー番組に出演して人気を博していた。特に、『夢で逢えたら』(フジテレビ系)でウッチャンナンチャンやダウンタウンと並んでコントを演じたり、『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』(日本テレビ系)で珍解答を連発したりしていた姿が記憶に焼き付いている人も多いだろう。元気いっぱいで明るく振る舞う一方、時には鋭く本質を突く発言で笑いを取るセンスもあり、都会的でアカ抜けた奇抜な髪形やファッションでも注目を集めていた。

 だが、そんな野沢は、91年、人気の絶頂期に突如としてすべてのレギュラー番組を降板し、単身ニューヨークへと旅立ってしまった。その理由は、本人の発言によると、日本でのタレント活動に行き詰まりを感じていたためだという。


2010.09.06 月  

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