夏だ!ボーナス有効活用大特集!

ボーナスで漫画を大人買い ~長編コミックを読破しよう!~


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 ボーナスの季節がやってきた。リーマンショックや東日本大震災など不景気な話ばかりが話題になる昨今、ボーナスで大散財が難しい人も多いのではないだろうか。そのようなアナタへのお奨めが、ささやかな自分へのご褒美として、マンガ単行本の大人買いである。

 子ども時代に熱中していた作品や読みたかった作品、過去に埋もれた名作、現在話題の作品を全巻一気に読むことで、作品世界に没頭し、心の洗濯になる。以下では大人買いしたくなる漫画作品を紹介する。尚、巻数は全て初出の単行本に基づき、新装版・特装版・文庫版などは対象外とした。

 まずは少年漫画の王道作品である鳥山明の『DRAGON BALL』(全42巻)である。どんな願いも叶えられる「ドラゴンボール」をめぐる冒険漫画である。主人公の孫悟空は強敵との闘いや修業を繰り返し強くなっていく。冒頭では少年だった悟空が成人になり、父親になる成長ぶりも見どころである。

 連載当時は現在と異なり、コミックス派よりも雑誌派が優勢であった。自分が好きだからではなく、友達と話を合わせるために読んでいた人も多い。そのために連載当時の愛読者でも未読個所があったり、最終回を知らなかったりすることもある。全巻通し読みによって、新たな発見もあるだろう。『DRAGON BALL』の単行本は全巻を並べると、背表紙が神龍(シェンロン)を主要キャラクターが追いかける一つの絵になっており、コレクター趣味も満たされる。

 『DRAGON BALL』が完結作品の王道ならば、連載中の作品の王道は尾田栄一郎の『ONE PIECE』(現時点で全62巻)である。これは海賊王を目指すモンキー・D・ルフィが、麦わらの一味と共に「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を求めて冒険する海洋ロマンである。

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 バトル中心の漫画ながらストーリーが練られており、泣かせる話も多い。伏線が緻密でコミックスの一気読みに向いている作品である。現在連載中の話も過去のストーリーと意外なところで関係しているため、若い人の話題についていくためなどで、これから『ONE PIECE』を読んでいきたい人も一気読みはお奨めである。

 『DRAGON BALL』も『ONE PIECE』も共に背景の小物に至るまで絵が詳細である。両作品とも巻が進むにつれ、絵が上達している。大作家であっても最初から完成度が高かった訳ではないことが再確認できると共に、人気作家の立場に安住せずに一層丁寧な絵を描き続けた作者の姿勢に驚嘆する。「神は細部に宿る」と言葉が漫画にも該当することを示す作品である。

 古典作品では手塚治虫の『ブラック・ジャック』(全25巻)がある。黒マントにツギハギ顔という異形の無免許外科医が天才的な技術で難手術を行う人間ドラマである。孤高の天才外科医という設定は後の医療漫画にも大きな影響を与えた。天才的な外科医でも越えられない治療の限界や、治療が患者を幸福にするのかという難題を正面から描いている。

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 手塚は「漫画の神様」と称されるほどの大家であったが、劇画ブームに乗り遅れてスランプに陥った時期がある。劇画の手法を取り入れた手塚の復活作品が『ブラック・ジャック』であり、手塚の作品史としても重要な作品になる。

 その手塚を師と仰いだ藤子・F・不二雄の代表作が『ドラえもん』(全45巻)である。22世紀のネコ型ロボット・ドラえもんが秘密道具でドジな少年・のび太を助ける物語である。アニメや通信教育・ドラゼミによって、教育的な作品というイメージが強いが、単行本を読むと暴言やバカバカしいギャグが満載である。

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 少女漫画からは日渡早紀の『ぼくの地球を守って』(全21巻)をおススメする。同じ設定の夢を見る主人公達が異星人の生まれ変わりで、現世の物語と前世の物語が並行して進行する。「ぼく地球(ぼくたま)」の略称で親しまれ、前世ブームの一因となった。主人公の子どもを主人公とする続編『ボクを包む月の光―ぼく地球次世代編』が現在連載中である。

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 また、少年漫画としても遜色ない少女漫画として、田村由美の『BASARA』(全27巻)がある。文明が崩壊し、封建社会に逆戻りした未来の日本を舞台に運命の子の更紗が新たな日本を作る物語である。少女漫画的なラブストーリーと少年漫画的な戦いの両者が楽しめる作品である。暴君の圧政に人々が苦しめられる中で、政治のあり方についても考えさせられる。

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 いずれ劣らぬ名作ばかり。この機会に一気読みしてみてはいかがだろうか。
(文=林田力)


林田力(はやしだ・りき)
ライター。漫画・ドラマ・不動産・裁判などジャンルを問わず活動中。著書に『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)。

『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』
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