
●嗚呼! 思い出の「ピョン吉Tシャツ」!
世の中には「変T」というジャンルがあるそうです。「変T」とはその名の通り「変なものがプリントされたTシャツ」という意味。「ゲーム脳」「アキバ系」といった自分の性格や趣味を現したものや「毎日が地獄です」といったブラックなギャグを含んだものまで、その種類は実にさまざま。
「変T」は大きな都市の雑貨店や、通販で割と簡単に購入できますが、実際に着てみるというのは正直、なかなか勇気が要るものだと思います。なんか自分のセンスが試されているような気がして人前に出るのが恥ずかしかったり恐かったり......お店ではルンルン気分で買ってみたけど実は一度も袖を通したことなくて、押し入れの奥でずっと眠らしてるよー!とかいう人、何気に多いんじゃないですか?
そんな「若気の至り」的な気分がお手軽に味わえる「変T」ですが、そのルーツというか元祖的な存在って何だかわかりますか?
そうです! 30歳以上にはお馴染み、『ど根性ガエル』のピョン吉Tシャツです!
「どっこい生きてるシャツの中」の名文句の通り、シャツに貼りついてしまった平面ガエルのピョン吉とその仲間たちが「根性」を合い言葉に繰り広げる人情ギャグの金字塔的作品です。
ピョン吉Tシャツの魅力は漫画の世界から飛び出したというか、ズバリそのまんまのデザインにあります。これを着れば誰でもひろし(主人公。いつもピョン吉を着てる人ね)になれたし、あのTシャツがあればいつでもどこでも『ど根性ガエル』の世界を疑似体験できたわけですから。そういう意味でもピョン吉Tシャツは子ども心をグッとつかんでくる夢のあるファッションでしたね。とにかく欲しくて欲しくてたまりませんでした。
ですが......その肝心のピョン吉Tシャツがどこを探しても売ってなかったんですよね。筆者が1985年生まれ(再放送世代)だったというのも原因のひとつかと思いますが、当時、通っていた小学校ではピョン吉Tシャツを着ている生徒を数人見かけたことありましたし、ちょっと都会に出た時は制服の下にピョン吉Tシャツを着てタバコふかしてるヤンキー高校生なんかも見た記憶があります。んー。あれはなんだったんだろうか?(特に後者)
その後も動ける範囲で捜索を続けましたが、気がついたら筆者の「ど根性ガエル熱」はどこかに飛んでいってしまい、ピョン吉Tシャツが欲しかったあの日のことは思い出の1ページと化してしまいました。まあ、子どもの好奇心なんてそんなもんですよね。
●「ピョン吉」求めてどこまでも
そんなわけで、子どものころの思い出を胸に、再びピョン吉Tシャツを探してみる決心をしました。まあ、はっきりいって今はネットという便利なものがあるし、Amazonに行けば手軽に安く手に入るはず! と割と気軽に考えていたのですが、AmazonにはTシャツではなくピョン吉がプリントされた「靴下」が置いてあるだけでした。
ピョン吉靴下......なにもそんなエグいところに貼りつかなくても......という気がしてしまうが、可愛い一品なのでこれはこれでオススメです。思わず買っちゃったよ。
あと、Amazonではピョン吉Tシャツにダミーの左腕を付けて、腹に隠した右手でシャツのピョン吉をビョンビョン動かす「なりきりど根性ガエル」というパーティーグッズも発見したのですが、別にオレ、ひろしのコスプレして会社の宴会で人気者になりたいわけじゃないしなぁ。腹話術とかできないし。
うーん。どーもAmazonはピンポイントで惜しいようですね。
その後、中野ブロードウェイやら吉祥寺やら割と変Tに対して理解のある街にも行ってみたのですが、ピョン吉Tシャツは見る影もありませんでした。やっぱり今も昔もピョン吉Tシャツは手に入りにくいようです。正規品で、普段から着ていても大丈夫なような(矛盾してる?)ピョン吉Tシャツはもう売ってないのだろうか......。
いままで自分は「ピョン吉Tシャツ」というキーワードのみで検索していたのですが、全然ヒットしないので一度、原点にかえり「ど根性ガエル」で検索してみることに。すると1件のサイトがHIT。そのサイトの名は「有限会社オフィス安井」(http://www.manga-bank.com/)。「オフィス安井」はど根性ガエルの版権を管理している会社だそうです。
そ、そこにはなんと「Tシャツ販売」の文字が!あ~!あった~!ピョン吉だーーー!!
黄色いボディーに一片の曇りのない笑顔、これぞ夢にまで見たピョン吉Tシャツだー!!
値段も1,500円(税抜)というリーズナブルさ。素晴らしいですねこれは。
なお、「オフィス安井」は「ど根性ガエル」の版権を管理されている会社なので正真正銘のオフィシャル商品。子どものころ、むっちゃくちゃに欲しかったピョン吉Tシャツは通販でいつでもどこでも手に入るようになっておりました。嬉しいことは嬉しいけれど、ちょっと切ないのも事実でありますね。
なお、これは今回調べてわかったことなのですが、ピョン吉Tシャツは去年、ユニクロで開催されていた「ジャパンマンガ・アニメT」のラインナップに入っていて全国で売られていたそうです。その機会にピョン吉Tシャツを手に入れた人も多かったとか......うわっ!
早く気が付いていればこんな苦労することなかったのに!!
(文=穂積昭雪)
●穂積昭雪
1985年生まれ。『ど根性ガエル』初体験は小学生の頃に見た『新どこ』の再放送。その後、旧作も見始めてどっぷりはまる。他に好きなアニメは『じゃりン子チエ』『天才バカボン』。友人から幾つだよオマエと、相当突っ込まれているが全く気しない。ちなみにファッションの知識はほとんどなく、セーターとパーカーの違いもよくわかっていない。普段着は基本、父親のお古である。そりゃ、こんな記事書くって!!


