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これは、もうひとつの『風立ちぬ』だ!

科学者の情熱が生み出した狂気の発明の数々! 兵器開発の封印された黒歴史『陸軍登戸研究所』

rkgnnbrt01.jpg明治大学生田キャンパス内に残る巨大な動物慰霊碑。人体実験の犠牲者たちを慰霊するために建てられたのではないかと言われている。

 宮崎駿監督の新作アニメ『風立ちぬ』が大ヒット公開中だ。第二次世界大戦で日本海軍の主力戦闘機となるゼロ戦を開発した航空技術者・堀越二郎(1903~1982)をモデルに、「美しい飛行機を作りたい」という主人公の夢がアニメーションならではの豊かな色彩によって描かれている。主人公の長年の夢は病気の妻や同僚たちの支えによって叶えられるも、夢の結晶であるゼロ戦はやがて特攻に使われ、日本は敗戦を迎えるという苦い結末が待ち受ける。自分の夢をひたすら追い続けた男のエゴイズムの是非を問い掛ける問題作となっているが、戦争と科学者・技術者の関わりを主題にした“もうひとつの『風立ちぬ』”と言うべき注目作が公開を控えている。8月17日(土)より公開されるドキュメンタリー映画『陸軍登戸研究所』がそれだ。

 現在、明治大学生田キャンパスがある神奈川県川崎市多摩区の丘陵地帯に、陸軍登戸研究所は建てられた。日中戦争の最中の1939年のことだった。陸軍最大の謀略・秘密戦の研究機関として、多くの科学者・技術者たちが様々な研究を進めた。秘密厳守が命じられた各研究棟では、ナチスドイツと協力した殺人光線の開発、日本ならではの和紙とコンニャク糊で作った風船爆弾の実用化、石井部隊の暗躍でも知られる生物・化学兵器の研究、さらに中国の経済を混乱させるための偽札作りなどが行われていた。何ともオドロオドロしい研究内容だが、軍部から潤沢な予算が与えられ、所員たちにとっては“理想の職場”でもあったという。ドキュメンタリー映画『陸軍登戸研究所』は登戸研究所に勤めていた元所員や関係者たち35人の証言を6年がかりで集めた貴重な映像資料となっている。

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