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家族の絆を再認識する原発事故を背景としたホームドラマ

山本太郎が出てるけど……原発反対映画じゃなかった!『朝日のあたる家』

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 反・脱原発を主張する人々の内輪ウケじゃない。原発反対を主張して、先の参議院議員選挙で当選を果たした山本太郎氏が出演していることでも話題の映画『朝日のあたる家』の上映が、ようやく都内で始まった。

 この作品、最初のメディアでの取り上げられ方は、通常の映画とは少し違った。「原発問題を扱っているので上映館が決まらない」──そんな取り上げられ方ゆえに、原発反対のイデオロギー色の強い作品ではないかと、敬遠する人もいるのではないか。しかし、実はまったくそんなことはないのだ。

 これまで、原発や放射能の恐怖を扱った映画は数多く作られてきた。原発を扱った映画では『原子力戦争』や『太陽を盗んだ男』が思い浮かぶ。ちょっとズレるが、核戦争後の放射能の恐怖を描いた『風が吹くとき』や『スレッズ SF核戦争後の未来』あたりは、放射能の恐怖がホントに伝わってくる。「そもそも放射能とは何か?」を解説するドキュメンタリー『世界は恐怖する 死の灰の正体』は1957年の古い作品だが、緻密な解説はいまだに古びていない。

 こうした作品に共通しているのは何かといえば、映画=大衆のための娯楽という軸からブレていないことである。

 この『朝日のあたる家』もまた、原発事故を題材として家族の絆と故郷の価値という普遍的なテーマを扱った娯楽作なのだ。

 物語の舞台となるのは、静岡県の湖西市。中心となるのは、その町に住む平田一家。お父さん(並樹史朗)は農業。お母さん(斉藤とも子)は主婦。長女(平沢いずみ)は大学生。妹(橋本わかな)は中学生である。家族の住む、ショッピングセンターも何もない田舎町の近くには原子力発電所がある。その原子力発電所が地震によって爆発事故を起こしたことで、家族の日常は大きく変わるのだ。

 一日だけかと思った避難は、いつまでも続く。ようやく許可された一時帰宅で戻った家は、何者かによって荒らされていて、一家は呆然とするしかない。妹は病気になるが、医者は放射能の影響とは認めようとしない。母親はノイローゼになり、父親はなんとか一家揃って家に帰ろうと奮闘するが、空回りするばかり……。

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