日刊サイゾー トップ > エンタメ  > BTSの謝罪を「遅らせた」韓国事情

防弾少年団(BTS)の謝罪を「遅らせた」韓国芸能界特有の事情とは?

【校正待ち】防弾少年団(BTS)の謝罪を「遅らせた」韓国芸能界特有の事情とは?の画像1
『2017 BTS LIVE TRILOGY EPISODE III THE WINGS TOUR IN JAPAN ~SPECIAL EDITION~ at KYOCERA DOME(初回限定盤)[Blu-ray]』(ユニバーサルミュージック)

“原爆Tシャツ”やナチス風帽子の着用で物議を醸していた防弾少年団(BTS)の所属事務所、Big Hitエンターテインメントが一連の騒動について、ようやく謝罪したが、『NHK紅白歌合戦』落選の憂き目に遭った今となっては、彼らにとって遅きに失した感がある。

 BTSに批判的な日本国内の世論も、彼らの遅すぎる謝罪に納得しているわけではない。また、BTSは謝罪を表明する直前には、メンバーのRMが韓国の代表的な抗日詩人の尹東柱を称える文学館を訪れた画像をTwitterに投稿しており、日本側をイラつかせたりもしている。日本に対する挑発と謝罪、なんともチグハグなBTS側の対応だが、その背景には韓国の芸能界独特の事情がある。

「本音はどうあれ、原爆Tシャツが問題になった時点ですぐに頭を下げていれば、ここまで事態は深刻にはならなかったはず。しかし、国内の風潮として、日本への一方的な謝罪など許されないのが韓国の芸能人です。かといって、BTSにとって有望な日本市場を無視するわけにもいきません。抗日詩人の文学館への訪問と日本への謝罪はチグハグな対応のように思えますが、前者は自国、後者は日本へ向けてのアピールです。この一連の動きはセットとして考えるべきで、BTS側にとってみれば、日韓双方のメンツを立てるための“落としどころ”だったわけです。こうした対策を探るために、謝罪まで時間がかかったのでしょう」(韓流雑誌編集者)

 13日に行われたBTSの東京ドーム公演では、メンバーも一連の騒動について謝罪。しかし、原爆Tシャツを着用したことについては言及されておらず、批判は収まっていない。

「日本や欧米のロックミュージシャンやラッパーなどと違い、K-POPアーティストは100%、芸能事務所によって作られた存在で、自身の言葉で本音を語るようなことはほぼありません。全ての言動と行動は事務所の“振り付け”によるもの。従って、謝罪の弁も事務所が作ったものだし、原爆Tシャツも意味を理解せずただ着てしまっただけ、というのが実際のところでしょう。どちらにせよ、BTSが無神経だったのは間違いのないところですが」(同)

 では、“反日”なのは、所属事務所のBig Hitエンターテインメントなのかと問われれば、必ずしもそうとは言えないようだ。

「BTSはアメリカのビルボードチャートで1位を獲得するなど、世界的な人気が喧伝されていますが、チャートの不正操作疑惑が指摘されており、実際のところ、世界で最もBTSのためにカネと時間を使っているのは、日本のファンだと思われます。そんな潤沢な市場を抱える日本に対して、露骨な反日スタンスを示すのは、営業戦略としてあり得ません。今回の一連の騒動は、事務所のマネジメントの拙さが招いたものだと思います」(同)

 BTSが所属するBig Hitエンターテインメントは、大手のJYPエンターテインメントから独立した作曲家のパン・シヒョクが、2005年に設立した新興の芸能事務所。16年の売上高は335億ウォンで、“3大芸能事務所”と呼ばれるSMエンターテインメント(3,498億ウォン)、YGエンターテインメント(3,218億ウォン)、JYPエンターテインメント(736億ウォン)に次ぐ数字だ。3大事務所とはまだまだ差はあるものの、新興であることを考えれば十分すぎる業績だろう。そして、こうした急成長を支えているのが、BTSのグローバル展開であることは言うまでもない。

「事務所にとって、BTSは初の人気アーティスト。もちろん、グローバルに活動する所属アーティストのマネジメントも初めて。従って、アーティストの海外での振る舞いがどのような反応を招くか、イマイチわかってなかったフシがあります。それは、BTSと秋元康氏のコラボが中止になった1件でも明らかでしょう」(同)

 9月に、秋元康氏がBTSの新曲の作詞を手がけることが発表されたが、そのわずか4日後にコラボが解消されたことがあった。一部のファンから、「なぜ、右寄りで女性蔑視の作詞家とコラボするのか」と、事務所へ抗議か殺到したことによって、中止に追い込まれたという。

「“ARMY(アーミー)”と呼ばれるBTSのファンは、熱狂的なことで有名。秋元氏とコラボすれば過激な反応を招くことは容易に予想できるのに、事務所はなんの思慮もなく発表してしまった。そもそもこの企画は、秋元氏の歌詞のファンだった事務所代表のパン・シヒョク氏からのオファーによるもの。それを考えても、BTSと事務所が反日であるはずがないし、単にグローバル展開のノウハウがなかっただけでしょう。海外で活動するなら、その国に住む人たちに配慮した慎重な振る舞いが求められます。Tシャツの柄ひとつにも、細心の注意を払うべき。しかし、新興であるがゆえに、BTSにも事務所にもそれが欠けていました。海外戦略に長けているSMエンタやYGエンタなら、こんな初歩的なミスは犯さなかったはず」(同)

 原爆Tシャツをめぐるドタバタ騒動は、事務所の急成長にマネジメント能力が追いついていなかったことが原因だったと言えそうだ。

最終更新:2018/11/26 17:00
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

『24時間テレビ』強行放送の日テレに反省の色ナシ

「愛は地球を救う」のキャッチフレーズで197...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真