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『イッテQ!』だけじゃない! 日テレドラマ“壊滅”止まらず……「フジテレビ化」の懸念

左:『今日から俺は!!』、右上:『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』、 右下:『獣になれない私たち』/各ドラマ公式サイトより

 人気看板番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)のヤラセ問題が話題となった2018年。

 実はバラエティでミソがついただけでなく、今の日テレはドラマにおいても絶不調だと業界内でウワサされている。

 今クールで日テレドラマの視聴率トップを飾ったのは、全体7位の『今日から俺は!!』で全話平均視聴率9.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。以下、『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』が8位の8.8%、放送開始前には大きな期待を寄せられていた『獣になれない私たち』が9位の8.7%と、軒並み低視聴率にあえいだ。

 福田雄一ワールド全開の『今日から俺は!!』は、原作ファンの40~50代に受け入れられただけでなく、普段テレビをあまり見ない10代などの支持も集め、久しぶりに「ファミリーで見られるドラマ」として高評価を得た。

 しかし、『ドロ刑』は名バイプレイヤーの遠藤憲一や旬の中村倫也など、脇に豪華な顔ぶれを集めたものの、ほぼ無風。『けもなれ』にいたっては、「イライラする」「話がとっ散らかっていて何が言いたいかわからない」と酷評が相次いだ。

 日テレドラマには「水曜ドラマ」「土曜ドラマ」「日曜ドラマ」の3つの枠があるが、11年の『家政婦のミタ』以降は、どの枠においても大ヒットといわれる作品が登場していない。

「フジテレビの凋落が叫ばれて久しいですが、今クールの作品はともかく、近年は意欲作も見られるようになったフジに比べ、むしろマズイ状況にきているのは日テレじゃないかといわれています。ジャニーズ事務所など、お付き合いのある事務所などから主演が決まり、主演ありきの安直なつくり方をしている点などは、かつてのフジのようだといわれていますし、対応の悪さもよく耳にします」(テレビ雑誌関係者)

 ドラマ取材などでは、複数媒体を集めて行う「合同取材」のスタイルが一つの定番だが、集まった記者たちの間で最近の日テレの対応について話題になることもあるという。

「取材待ちの間に、別媒体の記者さんから『日テレの広報さんって、怖くないですか?』と聞かれることがときどきあります。おそらく個人差があるでしょうし、そもそも受け取り方の違いもあるのでしょうが、例えば『けもなれ』は、媒体をかなり選んで取材を受けていたようで、媒体名で断られ、『基本的に受けていないけど、どうしても取材したいということなら、受けるかわかりませんが、とりあえず企画書だけ送っておいてください』と、かなり高圧的な態度で言われて、びっくりしたなんて話も聞きますよ」(同関係者)

 また、あるエンタメ記者は言う。

「制作サイドの取材をしていくと、日テレドラマがおかしなことになっているのは、脚本家のせいじゃなくて、演出のせいだというグチをこっそり聞くこともあります。大仰なBGMをつけたり、暗く自己満足な映像にこだわったりと、脚本の世界を殺してしまうというか。作り手の中でも、方向性が定まらず、ちぐはぐになっている部分があるようです」

 もちろん局の体質ではなく、個人、あるいは座組みの雰囲気はあるもので、『今日から俺は!!』のように制作サイドも出演者もともに楽しみ、視聴者にも受け入れられる好例もある。

 日テレが今後、どんなものを見せていくのかに注目したい。

最終更新:2018/12/20 10:31
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