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Amazonが始めた本の買い切り交渉、売れない出版社ほどAmazonの恩恵を受けている“不都合な真実”

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イメージ画像(Photo By Rohan.Mish from Flickr)

 いよいよ出版業界は激変するのか。Amazonの日本法人「アマゾンジャパン」が、出版社を相手に買い切りの交渉を始めていると一部メディアが報じている件に、業界は戦々恐々としている。

 これまで、出版業界では雑誌と書籍の販売は、再販制度による委託販売がほぼ常識。書店側は、契約によって出版社の指定する定価で販売しなければならないが、その代わりに売れ残ったものについては返品することができる仕組みになっている。

 出版業界では、この制度があることによって多種多様な雑誌・書籍が出版され、全国のどこでも同じ価格で買うことができるとしてきた。

 例えば、業界団体である日本書籍協会のサイトでは、制度がなくなった場合には、本の種類が少なくなり、内容は偏りを見せ、遠隔地は都市部より本の価格が高くなるなどの弊害が生じるとしている(http://www.jbpa.or.jp/resale/)。

 ただ、現実は大きく変貌している。すでにAmazonをはじめ、ネット書店は巨大なシェアを占めるようになり、どこにいようと同じ価格で、しかもリアル書店よりも多種多彩な本が買えるようになっている。そして、シェアを拡大する電子書籍は再販制度の対象外として、割引は当たり前。それこそKindleユーザーの中には、毎日割引セールをチェックしているという人も多い。

 アマゾンジャパンとしては、出版社との交渉が実を結べば、大部数が売れる本については割引も実施できると見込んでいると思われる。ただ、それは売れない本の切り捨てにつながるのではないか? というのが、出版業界の危惧するところだ。

「再販制度がなくなれば、少部数の専門書は売れなくなり、さらに高価格になるとされてきました。しかし、現実には書店の店頭に並ぶ本が売れ筋ばかりになっています。少部数のマニアックな本がもっとも売れている書店は、Amazonなんです」(出版社社員)

 再販制度の維持を主張し、Amazonをどこか敵視してしまう出版社も、実際にはAmazonのおかげで会社が維持されていることは認めざるを得ないのが現実。とりわけ地方在住者にとっては、Amazonはリアル書店よりもよっぽど便利なことは紛れもない事実である。
(文=大居候)

最終更新:2019/02/21 23:00
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