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産経「高齢者相手に違法勧誘」だけじゃない! ヤクザにも見放された新聞業界の断末魔

イメージ画像(足成より)

 もはや「新聞離れ」という言葉さえ死語になりつつある“死に体”の新聞業界。その窮状を象徴するかのようなニュースが報じられた。

 全国紙の一角を占める産経新聞の販売店が、高額な景品で長期契約の勧誘を行っていたことが発覚。景品表示法に違反する疑いがあるとして、大阪府消費生活センターが大阪の本社を立ち入り検査していたという。

「大阪府内の販売店が、数十万円相当のドラム式洗濯機と引き換えに、1人暮らしの高齢者らに長期の新聞購読契約を勧誘。その後、解約を申し出たところ、『高額な解約金を求められた』として、自治体に苦情が寄せられていたのです。景品表示法は、商品に見合わない高額景品を用いた勧誘を禁じています。自治体側はこれまで再三にわたって指導していましたが、改善が見られないため、今回の措置に踏み切ったようです」(事情を知る関係者)

 浮き彫りになったのは、景品という餌で釣るしか消費者をつなぎ留められなくなった新聞の苦境だ。

 今回、問題が発覚した産経は経営危機がささやかれて久しく、こうしたニュースが報じられても「さもありなん」と納得してしまうのが正直なところ。とはいえ、ほかの新聞社も事情は同じだ。新聞の発行部数を公式に示す「ABC部数」(2018年7月度)によると、朝日、読売、毎日、日経、産経の5大紙は、この1年間でいずれも大きく部数を減らし、合計約129万部減を記録したという。

 退潮著しい新聞業界だが、そもそもこれまで大部数を維持してこられたのは、紙面のクオリティーうんぬん以前に、販売店側の営業力による部分も大きい。

 新聞販売店による強引な販売手法をたとえる言葉として、「インテリが書いてヤクザが売る」というたとえ話があるが、実はこのフレーズ、あながち誇張された表現ともいえない面があるという。

「実際、新聞の拡張はシノギのひとつにしていた」と明かすのは、関東に本拠を持つ、さる暴力団幹部だ。

「今から20年ぐらい前、新聞の販売部数がまだ右肩上がりを続けていた時代は、おいしいシノギだったよ。といっても、もちろんオレが直接勧誘するわけじゃない。息のかかった拡張員を雇って、そいつらにやらせていた」

 力が物を言うヤクザ社会。新聞の拡張をめぐる、組織同士でのシノギの奪い合いもあったという。

「優秀な拡張員を囲っていると当然、実入りもよくなる。だから、販売店同士での拡張員の引き抜きが、しょっちゅうあったんだ。それでトラブルになったら、俺たちの出番だよ。北関東は特に販売競争が熾烈で、よくトラブル処理のために出張っていったもんだよ。あ、それにマッチポンプもやったな。子飼いの拡張員に架空の発注を取ってこさせて、販売実績を水増しする。それで、よその販売店が引き抜きにきたら、『うちの販売員にちょっかい出したな』と、こう出るわけよ。で、解決金として、そいつの販売実績に応じた金を相手からふんだくる。もちろん、その実績ってのは架空のもんだから、こっちは丸もうけってわけさ」

 新聞業界がメディアの雄として君臨した時代。その裏側では、知られざる“仁義なき戦い”が繰り広げられていたのだ。

 冒頭で紹介した産経の違法勧誘の一件は、ヤクザからも見放された新聞業界の、最後の悪あがきといえるかもしれない。

最終更新:2019/02/22 14:00
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