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人生に「もし」はないから――ドラマ『パーフェクトワールド』第9話

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フジテレビ系『パーフェクトワールド』ドラマ公式サイトより

(これまでのレビューはこちらから)

 テレビや映画を見ていて、何か悪い展開になりそうなシーンが出てくると、ハラハラして見ていられなくなる人というのがいるらしい。「共感性が高い」という特性らしく、かくいう私もそんなシーンを見ると、「ああ、もうやめて」と思ってしまうことがよくある。

 ドラマ『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)第9話。冒頭のシーンから、そんなハラハラが続いた。

 

復縁した二人に立ちはだかる壁

 冒頭、樹(松坂桃李)とつぐみ(山本美月)が立っていたのは、かつて樹が事故に遭った道だった。まず、前回の、松本で二人が再会するラストシーンとつながっていないことに「おや?」という気持ちになる。

 事故のことを思い出し、「あの時雨が降っていなければ」「あの時自転車を置いて帰っていれば」と、樹は後悔ともつかない気持ちを口にする。でも、人生に「もし」はない。樹は、その時のことをまざまざと思い出し、現状を認識するのだ。

「『もし』がない」ということを実感として知った時、多くの人は、生きていく上での指針を得る。それが樹にとっては、「後悔しないように生きたい」というものだった。その思いにかられ、樹はつぐみとやり直すことを選んだのだ。

 婚約までしていた幼馴染みの是枝(瀬戸康史)を裏切るような形での復縁。当然、周囲の人の反発は大きい。

 つぐみの妹・しおり(岡崎紗絵)は、姉に対し激しく怒りをぶつける。もちろん、そこには、想い続けてきた是枝への愛情や、彼のために諦めた自分の気持ちの無意味さなど、複雑な感情が絡んでいることだろう。

 ここで、時間が少し巻き戻る。樹とつぐみが松本でお互いの気持ちを告白した時、是枝(瀬戸康史)は、つぐみの実家にいた。誕生日を迎えたつぐみのために料理を作り、婚約指輪を用意して、彼女を驚かせようとしていたのだ。

 この時点で、見ている側は、またハラハラが止まらなくなってくる。「この後是枝はどれほどつらく、恥ずかしい思いをするだろう」「つぐみの父・元久(松重豊)はどれほど怒り狂うだろう」――巧みな場面構成によって、緊張の糸が張り詰める。

 そこへつぐみから電話が入る。これから東京に行くという。東京に行ったつぐみと樹が、冒頭のシーンにつながるのだ。

 つぐみの行動を察した是枝は、東京に戻り、樹の家を訪ねる。つぐみと復縁したことを責める是枝と、謝るばかりの樹。本心をぶつけ合った二人、最終的に是枝は、樹とつぐみのことを許す。その後、是枝はつぐみとも会い、婚約は解消。樹との交際も認めた。この是枝の優しさは、どこから来るのだろう。

「好きな人が本当に幸せになることを願う」などというのは、ある意味、綺麗事だ。騒ぎを大きくして関係がこじれたまま別れたら、幼馴染みとしても会えなくなる、という気持ちもあるかもしれない。しかし、一番の理由は、樹を想うつぐみの気持ちの強さに、負けたのではないだろうか。そんな潔さを、是枝は持っているように思う。

 翌朝、樹はヘルパーの長沢(中村ゆり)と会い、ヘルパー契約を解除したいと告げる。しかし、長沢は、特別な感情は抱かないので、続けさせてほしいと答える。

 その頃、つぐみは実家に戻り、樹と再び付き合い始めたことを両親に告げていた。父の怒りは大きかった。それ以降、つぐみとも樹とも話をしなくなったのだ。

 テレビ電話で会話する樹とつぐみ。父との関係に悩む姿をつぐみの様子を見て、樹は言う、「隠し事や嘘はもう無しにしよう」。カップルや夫婦なんて、それなりに隠し事はあるものだと思う。多分、それが普通だ。でも、この二人は、そういう失敗を越えてきている分、より嘘のない関係になれるのかもしれない。

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