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中国アリババ「独身の日セール」の黒い真実……過去最高売り上げの裏で深刻化する環境問題

中国のEC業界では、ビニール袋やビニールテープを多用した過剰包装が多い(「自由時報」より)

 中国のEC大手アリババ・グループ・ホールディングが毎年11月11日に「独身の日」として開催するセールイベント「双11(ダブルイレブン)」。今年の流通総額(GMV)が前年比26%増の2,684億元(約4兆2,000億円)と、過去最高額を記録したことが話題となり、創業者であるジャック・マー氏が退任しても変わらぬ強さを見せつけたが、その成功の裏では、深刻な問題を抱えている。それは、大量の包装ゴミ排出による環境問題だ。

 現地メディア「海疆綜合」(11月13日付)によると、今年のダブルイレブンのピークは18日までで、その間に処理される宅配便・郵便の数は28億個に上るという。昨年11月11~16日までの個数が18億8,200万個だったので、5割近く増えたことになる。

 同メディアによると昨年、中国のECや宅配業界が消費した包装資材は941万トンに達するが、段ボールなど紙類の再利用率は5%にも満たず、ほとんどが廃棄されているのが現状だ。しかも、過剰包装が度を越している。箱の中の隙間を埋めるための緩衝材はもちろん、配達員が小包を雑に扱うケースが多いため、箱から商品が飛び出さないよう、箱の周りをビニールテープで何重にもぐるぐる巻きにする。ビニール袋も大量に使用されるが、それらも再利用されることはなく、ほとんどは地中に埋められるか燃やされるという。業界関係者は「宅配業界の包装ゴミは、中国の環境に破局的結果をもたらす」と警鐘を鳴らす。

 政府もこれを問題視しており、「宅配業グリーン包装作業推進のための実施方案」を公布するなど、法整備を進めている。しかし、大手宅配業者がリユース可能な包装資材を導入し始めているものの、肝心のユーザーがそれらを利用しないので、効果は限定的だ。

 台湾メディア「自由時報」(11日付)によると、国際環境NGOのグリーンピースは、昨年、中国国内における包装に使用された箱や袋などを生産・使用・処分する過程で排出された二酸化炭素は1,303万トンに上ると指摘。2025年には4,130万トンに達すると予測する。

 中国には、抜本的な対策が求められる。

 

最終更新:2019/11/18 20:00
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