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『チコちゃん』レビュー

『チコちゃんに叱られる!』ノーベル賞受賞者が岡村隆史のMC力を絶賛!

NHKオンデマンドより

 3月13日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)が取り上げたのは、以下の3つのテーマだった。

・リチウムイオン電池ってなに?
・なんで卒業式で呼びかけをするの?
・柿の種はなぜこの形なの?

知的な理系ギャグを飛ばすアンタッチャブル山崎

 今回のゲストはEvery Little Thingの持田香織と、アンタッチャブルの“ザキヤマ”こと山崎弘也だ。

 最初のテーマ「リチウムイオン電池ってなに?」というあまりにざっくりした質問を受けた持田は自信なさげに「アルミ?」と回答、チコちゃんから「ボーッと生きてんじゃねーよ!」と叱られてしまった。

 チコちゃんが発表した答えは「1時間かけて吉野さんが説明してくれた」である。リチウムイオン電池の開発に貢献した研究者の1人として昨年ノーベル化学賞を受賞した吉野彰先生が、1時間かけてわかりやすく説明してくれたようだ。……そんなの、ボーッと生きてなくたって答えられないよ!

 VTRを見ると、本当に吉野先生が登場している。土曜朝の『チコちゃん~』再放送をよく見るという吉野先生は「間の取り方、リアクションが大したもの」とMCの岡村隆史を絶賛した。

 というか、せっかく吉野先生がリチウムイオン電池の仕組みを1時間かけてたっぷり説明してくれるのだ。それをたった5分程度のVTRにまとめるのなら、特番を組んでノーカットのインタビュー映像をそのまま放送したほうが有意義な気もするが……。

 今回、聞き手を務めたのは同番組の担当ディレクターである。

ディレクター「リチウムイオン電池って簡単に言うと何なんですか?」

吉野「簡単に言うと? ん~、困ったなあ。難しい。リチウムイオン電池の中でリチウムイオンが2つの板の間を行ったり来たりするんですよ」

ディレクター「すみません、あの、リチウムってなんでしたっけ……?」

 そこから説明するのかよ! 文系理系関係なく、高校で習う程度の知識だ。そりゃあ、1時間かかるわ……。

 銅と亜鉛を硫酸に漬け、亜鉛が溶けると出てくる電子は銅のほうに行く。この電子の移動途中に豆電球をつなぐと、点灯する。まず、「電子の移動」=「電流」と踏まえていただきたい。電子は多いほうから少ないほうへ一方通行で流れ、それ以上電子が作られなくなったら、その時点で電池切れになる。これがアルカリ電池やマンガン電池の基本的な仕組みだ。

 リチウムイオン電池には正極と負極の2つの板が入っていて、片方の板(正極)にリチウムがたくさん含まれているときは充電ゼロの状態。ここで充電器につなぐとリチウムが電子から離れ、電子の少ないもう片方の板(負極)へ電子は移動する。リチウムは電子が離れてリチウムイオンになる。そして、移動した電子に引きつけられたリチウムイオンも板を移動する。そうして電子とリチウムイオンは片方の板に溜まり、満充電になるのだ。充電したスマートフォンに電源を入れると今度は電子が反対方向に流れ、リチウムイオンもまた元の場所へ戻っていく。これを繰り返し、半永久的に何度も使うことができるのが充電可のリチウムイオン電池の仕組みである。

 ちなみに、リチウムとは「すい(水素)へー(ヘリウム)りーベーぼくのふね」の「りー」にあたる元素。ヘリウムに次いで3番目に軽く、それでいて大きなパワーを生み出すことができる。リチウムイオン電池が開発されたことで、ノートパソコン、カメラ、IT機器等は大きく進化したわけだ。

 今回、吉野先生を取材したのは文系出身のディレクターと理系出身のADの2人だった。ディレクターは吉野先生の話を途中から完全に見失っており、「すごいってことですね?」と雑すぎる表現で処理する始末である。そんな上司を献身的にサポートし、わかりやすく説明し続けたのはAD。2人のやりとりを見たザキヤマは「あのディレクターさんに必ず付いてくるリチウムイオン的な関係なんですね」と、覚えたての見事な理系ギャグを放ってみせた。なるほど、わかりやすい喩えだ。アンタッチャブルを復活したばかりの彼、さすがにノッている。

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