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続々と消える出演者たち…ハリウッドザコシショウの「誇張して代役」とクマのぬいぐるみ

文=飲用てれび(いんよう・てれび)

■伊達みきお「独裁だよ、もうただの」

 出演者が消えていくといえば、3日の『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)でも同様の展開があった。嵐の二宮和也とサンドウィッチマンの伊達みきおをゲストに迎えた今回の放送。二宮のスケジュールが詰まっているとのことで、収録した映像を編集せずほぼそのまま流す、疑似生放送という“設定”でお送りされた。

 報道番組を自称する『脱力タイムズ』。番組開始6年目の節目を迎えたタイミングで「報道番組としてのあるべき姿を見つめ直す」として、番組出演者による「徹底討論」が行われた。初回からすべて見てきた番組フリークだという二宮が口火を切る。

「報道番組なのに、報道に関する話題が少なすぎる」

 過去の放送を振り返りながら、二宮は問題点を指摘していく。番組が用意するパネルに誤字が多いこと、取材中に殺人現場に遭遇したこと、ゲストの個人情報が漏洩したこと、等々。もちろん、番組を見たことがある人ならわかるように、『脱力タイムズ』は報道番組のパロディだ。誤字も殺人現場も個人情報漏洩もすべてネタ。番組内でただひとり常識人の役回りを担うツッコミ役の伊達も、「報道番組じゃないけどね」などと適宜ツッコミを入れている。

 で、番組は、レギュラー解説員を務める齋藤孝や出口保行、五箇公一などが、二宮のクレームに同調する展開に。先生たちは、メインキャスターである有田哲平(番組内では「アリタ哲平」名義)が責任をもって”報道番組”としての姿勢を示すべきだ、と主張していく。たとえば、五箇は強い口調で訴える。

「この番組は、だんだん酷くなってるとしか思えない。当初はちゃんとした報道番組としていろんな情報を提供していたのに、最近出てくるのはよく知らねぇお笑い芸人ばっかりじゃないですか」

 が、そうやって番組を批判する先生たちが、CMが明けるたびに次々と消えていく。席に置かれていくクマのぬいぐるみ。有田からは「仕事の都合で退出」といった説明がなされるのだが、どう見ても違う。徐々に、番組に批判的な人たちを有田が追放していることが明らかになってくる。解説員がすべて消え、番組アシスタントもいなくなり、とうとう追放の対象になった伊達がツッコむ。

「独裁だよ、もうただの」

 このあと、有田は二宮を消そうとするのだけれど、「こんなこと言いたくないけど……事務所。事務所」と、二宮が事務所の力を匂わせつつメインキャスターの席を奪取。有田は「二宮さんとですね、二宮さんの所属されてます素晴らしい事務所の粋な計らいによりまして、この席にまた座らせていただけることになりまして」と復帰する。が、最終的には、小さな事務所(グレープカンパニー)に所属しながらも好感度ナンバーワンの伊達がMC席に座り、不敵に微笑む、という綺麗なオチとなった。

 改めて確認しておくと、以上はすべて台本通りの演出だ。指摘するのも野暮だけど。

「報道番組なのに、報道に関する話題が少なすぎる」というクレームから始まった今回の番組。批判的な主張をする研究者たちが権力者によって次々と追放されていくという展開に、同時期に報じられた日本学術会議をめぐるニュースとの重なりをどうしたって感じてしまう。番組放送のタイミング的に期せずしてシンクロしたのだろうけれど、今回のニュースに限らず似たような事例は国内外でいろいろ見られるわけで、“期せずして”ではない気もしてくる。

 そもそも、「報道番組なのに、報道に関する話題が少なすぎる」という出発点からして、報道番組自体への報道的な視点からの問題提起にも聞こえてくる。報道番組のパロティが、結果としてとても報道的になったという事実に笑う――というような後付けの解釈も、この番組は笑っていそうだけれど。

 いずれにしても、権力に異を唱えた結果、クマのぬいぐるみではなく誇張モノマネを繰り返すハリウッドザコシショウに次々すげ替えられていくというのが、一番の悪夢かもしれない。

飲用てれび(いんよう・てれび)

飲用てれび(いんよう・てれび)

関西在住のテレビウォッチャー。

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Twitter:@inyou_te

最終更新:2020/10/06 12:13
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