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文春が「菅首相本」で忖度だらけの大失態 目利きの無さ露呈し社内にすき間風

文春が「菅首相本」で忖度だらけの大失態 目利きの無さ露呈し社内にすき間風の画像1
(写真/GettyImagesより)

「文春さんともあろうものが、どうしちゃったのか」

 大手出版社編集者が首をかしげるのが、文春新書(文藝春秋)から10月20日に刊行された菅義偉首相の著書『政治家の覚悟』の一件である。

「元となったのが2012年3月に同社が刊行した菅氏唯一の著書『政治家の覚悟 官僚を動かせ』。その中で菅氏は、民主党政権が東日本大震災で十分な議事録を残さなかったことを取り上げ、『政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為であり、歴史的な危機に対処していることへの民主党政権の意識の薄さ、国家を運営しているという責任感のなさが如実に現れています』と痛烈に批判していた。この記述は、森友・加計学園や桜を見る会の問題で、公文書が改ざん、破棄されていたことから”ブーメラン”となった。ところがそれらが新書版でそっくり削られていたのです」(政治部記者)

 これには反政権的なスタンスをとる朝日、毎日、東京新聞などが発売と同時に総ツッコミ。

 文春は各紙の取材に「月刊『文芸春秋』で行ったインタビュー記事4本を再録。単行本の第3章と第4章は全体のバランスを考えた上で割愛した」などと答え、意に介していない様子だが、社内では不協和音が生じているという。

 出版関係者が解説する。

「確かに分厚い新書は売れませんし、今更民主党政権を批判するのも不自然で、削るのもわからないではない。ただここの記述は、菅氏が官房長官だった17年の記者会見で、朝日記者が読み上げ『これを本に記した政治家は、誰かわかるか』と聞くと菅氏が『知らない』と答えるという、これぞジャーナリズムといったやりとりがあった。いくら本のバランスをとるとはいえ、削除することでのハレーションは予想できたはず」

「週刊文春」による”文春砲”で、最近のジャーナリズムをけん引してきただけに、新書編集部への風当たりが強くなっているというわけだ。

 ただし、本にまつわる経緯を考えれば責任は新書だけではない。

「実は元の本は『文芸春秋企画出版部』、つまり菅氏に自費出版に近い形で出版させたのです。菅氏は当時野党議員で、安倍晋三氏のカムバックが予想できなかった時とはいえ、社としての目利きの無さが露呈した。そのため版権の絡みから、菅氏の総裁選出馬のタイミングで刷ることができなかった。普通に出版していれば、重版をかけまくり、今ごろ大儲けのはずでした」(前出・関係者)

 かくいう”文春砲”も、近頃は部数が停滞気味だという。

「森友問題で自殺した財務省職員の遺書をすっぱ抜いて完売に導いた元NHK記者・相澤冬樹氏が9月、泥酔してイベント出演をすっぽかすという失態を犯し、編集部は後味の悪い雰囲気だそうです。また文春砲産みの親である新谷学・前編集長は週刊文春編集局長として、好調の文春オンラインも統括する立場。時代の流れでネットへ人材をシフトせざるをえないことも、”紙”の記者たちのモチベーションに響いているとか。今回問題となった新書編集部のトップは、前文藝春秋編集長の大松芳男氏で、新谷氏と大松氏がライバル関係にあることもあり、すきま風が吹いているのです」(同前)

 今こそ文春の底力を見せてほしいものだ。

最終更新:2020/10/25 17:00
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