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『噂の東京マガジン』、あの老害コーナーを復活…若者のミスをあげつらいおじさんが嗤う時代遅れさ

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『噂の!東京マガジン』(TBS系)

 帰ってきましたよ、『噂の東京マガジン』(TBS)に、「令和の常識 やって! TRY」のコーナーが! コロナ感染予防の観点から半年に渡ってロケが中止。再放送でしのいでいた「やって!TRY」のコーナー、やっと復活です……って、誰が楽しみにしてんの、これ?

 半年ぶりのコーナーは「やっとロケに出ることができました!」と小島奈津子さんが明るく振り、風見しんごさんと「さっそくアジフライをやってTRY!」とスタートした。

 最初は21歳の女子大学生。最近よかったことは?「これに声をかけてもらったこと」と明るく笑い、黄色いエプロン姿でサバを揚げてしまう。スタッフに「何が敗因ですか?」と聞かれ「(運が)ついてなかった」と答えると、ナレーションが「運じゃねえだろう」とツッコミをいれる。

 続いて、TRYするのが女性ばかりで女性蔑視では? の声から登場するようになった“男子”大学生が登場。元甲子園球児だという21歳の男性は煙もくもく出るほどフライパンを熱っしてしまい、アジの干物はまっ黒こげ。「あ~あ、やっちまったな」とナレーションがボヤいたが、この言い方だよね、腹たつの。

 3人目は、料理をいつも家でやるという22歳の女性会社員。アジを3枚にきれいにおろし、アジフライを完成。同行していた母親が「いつでも嫁に出せます」と言うと、ナレーションが「今度はお姉ちゃん(も同行していた)も挑戦してね」と言う。家族だからフツーのコメントかもしれないが、「嫁に出す」という言葉を何のためらいもなく流すTBSにクエスチョンマークを感じずにおられなかった。

 最後に「正しく出来た人は」12人中5人だと言い、5人の女性の顔写真が映し出された。スタジオに戻ると、森本が「今日はすばらしいね」と拍手をし、ほぼ、そのまま。料理家が登場して、アジフライを作る。なんだよ、これじゃ、料理家先生の前フリにしかなっていないじゃないか……。

 このコーナー、男性も登場させ始めたのは評価できるが、そもそも若者に料理させ、うまく出来ないのをボヤき系ナレーションで笑い、落とし、って、何が楽しいのだろう。スタジオに座る50歳以上の出演者たちと1989年スタートの長寿番組を見続ける、テレビの向こうの高齢視聴者たちのなぐさみものなのか? アジフライが出来ないことが大問題なのだろうか? それがサバになろうが、やり方が多少違ってようが、何なんだろう?

 平成→令和とタイトルを変えても、視聴者に何かやらせ、間違いだとあげつらってダメ出しするってスタイルがすでに、“令和の常識”に追いついてないんじゃないの?

和田靜香(ライター)

1965年生まれ。静岡県出身。主に音楽と相撲のライターで貧困問題やフェミニズムにも関心が高い。著書に『スー女のみかた~相撲ってなんて面白い』(シンコーミュージック)、『音楽に恋をして♪評伝・湯川れい子』(朝日新聞出版)、『おでんの汁にウツを沈めて~44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー』(幻冬舎文庫)などがある。

わだしずか

最終更新:2020/10/26 08:00
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