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『ハンオシ』はそもそも大ヒット狙いじゃない? 「既視感満載」でも大丈夫なワケ

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ドラマ公式サイトより

 清野菜名が主演を務めるTBS系火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』、通称『ハンオシ』の第7話が11月30日に放送された。世帯平均視聴率は9.8%(関東地区・ビデオリサ-チ調べ)を記録。低視聴率とも高視聴率とも言い難い、パッとしない数字だ。

 『FEEL YOUNG』(祥伝社)で連載中の有生青春(ゆき・あおはる)による同名マンガが原作となる本作は、結婚願望ゼロの主人公・明葉と、イケメンエリート広告マン・百瀬がひょんなことから偽装結婚し、ひとつ屋根の下で暮らす……というラブコメディだ。

 放送開始当初は、“偽装結婚”という設定が過去に同じ火曜ドラマ枠で放送された『逃げるは恥だが役に立つ』と同じだとして、「既視感満載」「二番煎じ」と散々な言われようだった。先日放送された第7話では、百瀬が想いを寄せる兄嫁・美晴のそっくりさんが登場し、明葉の恋敵となったのだが、これも過去に同枠で放送された『恋はつづくよどこまでも』とまったく同じ展開。『恋つづ』でも、“元カノのそっくりさん”がヒロインの恋敵として登場していた。

 もっとも、これらは原作にある設定と展開であり、決して制作陣が過去のヒット作をマネして作ったわけではない。しかし、なぜこんなにも過去作品の要素が多く散りばめられたストーリーを選んだのだろうか。視聴者から新鮮味のなさを指摘されることは、事前に想像できなかったのか。

 これについて、既視感のあるストーリーを“あえて”選んだ、という見方もある。

「TBS火曜ドラマはここ最近ヒット作を出せていないからこそ、一旦もがくのはやめて、“置きに行った”のではないのでしょうか。一度成功した設定や展開なら、既視感満載だろうと二番煎じだろうと、大きくスベることはありませんからね。『逃げ恥』や『恋つづ』を観ていなかった人だってたくさんいるはずですから、その人たちだけでもSNSで盛り上がってもらえれば十分、といったところなのかもしれません」(芸能ライター)

 目新しさがない『ハンオシ』だが、良く言えば、成功事例が詰め込まれた「安心して観られるドラマ」だろう。もしかすると、視聴者から既視感を指摘されることは想定の範囲内であり、そもそも世間が騒ぐようなヒットは狙っていなかったのかも?

■番組情報
火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』
TBS系毎週火曜22時00分~
出演:清野菜名、坂口健太郎、倉科カナ、高杉真宙、前野朋哉、中川翔子、笠原秀幸、小林涼子、森永悠希、長見玲亜、深川麻衣、岡田圭右、木野花、田辺誠一 ほか
原作:有⽣⻘春「婚姻届に判を捺しただけですが」(祥伝社「フィール・ヤング」連載中)
脚本:田辺茂範、おかざきさとこ
音楽:末廣健一郎、MAYUKO
プロデューサー:松本明子、那須田淳
主題歌:あいみょん「ハート」(unBORDE/Warner Music Japan)
演出:金子文紀、竹村謙太郎 ほか
編成:宮﨑真佐子
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/hannoshi_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/12/07 12:00
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