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紅白歌合戦「歌手別視聴率トップ10」で露呈した制作サイドの大誤算

紅白歌合戦「歌手別視聴率トップ10」で露呈した制作サイドの大誤算の画像
写真/Getty Imagesより

 NHKの前田晃伸会長が13日、東京・渋谷の同局で定例会見を行った。

 2部制に移行してから最低となる平均世帯視聴率34.3%(第2部、ビデオリサーチ調べ、関東地区)でワースト視聴率を更新した昨年大みそかの『第72回NHK紅白歌合戦』について見解を示したことを、各スポーツ紙などが報じている。

 各紙によると、前田会長は視聴率について「確かに最低」としながら、「ただ、これまでも視聴率だけでないと申し上げているように、(配信サービスなど)いろいろな媒体で見られている。単純な視聴率だけでは判断できない。実際に(視聴)手段が多様化しているのは事実。」とコメント。そのうえで、「どんな長寿番組でもマンネリ化すると、つまらない。でも、これだけ長続きしたのは番組そのものの評価は頂いているということ。ただ、今後は時代とともに変えていかなきゃいけない」と語ったという。

 NHK関係者はこう耳打ちする。

「バリバリの改革派の前田会長は、これまでも一部メディアの取材に対して、『紅白』を含めどんな長寿番組であっても見直しの対象になると、打ち切りも視野に入っていることを示唆する発言をしています。今回の会見でも、その胸中がブレていないことがうかがえた格好ですね。任期は2023年1月までで、残り2年だけに、『紅白』に関するもろもろの調査結果報告を急がせているようです」

 ここ数年の『紅白』同様、昨年の第72回も演歌勢がさらに減り、若い視聴者の取り込みを狙ったかのような選考が目立ったが、どうやら大して効果はなかったようだ。

「歌手別の視聴率で見ると、1位は大トリのMISIA。そして以下、トップ10に入ったのは福山雅治、鈴木雅之、薬師丸ひろ子、氷川きよし、さらに企画コーナーで新世紀『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌を歌った高橋洋子ら中高年向けの歌手ばかりで、若者にウケそうなのは10位のYOASOBIのみだった。もっともこれらすべて第2部の出演歌手で、ほとんどが番組終盤の出演者。トリに向かって視聴率が伸びていく形は毎年ほとんどこういう傾向で、いつもどおりだったとも言える。ただ、昨年は視聴率に波がほとんどなく、こうなると誰が出演しているかというより、やはり『紅白』そのものへの注目度が下がっており、テレビを観るという人たち自体が減っているということでは」(放送担当記者)

 前田会長といえば、ネット事業を放送の補完ではなく、“本来業務”に位置付けるべく動いていることでも知られる。2022年度はネットに接続したテレビで見逃し番組を視聴できるテレビ向けサービスを開始したり、総合テレビの1日24時間同時配信も始まる予定とのことだが、こうしたネット活用事業で視聴者を取り戻すことはできるだろうか。

大沢野八千代(ジャーナリスト)

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

おおさわのやちよ

最終更新:2022/01/18 08:00
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