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ブラマヨ、“第1章”の終焉と吉田がパチンコから学んだ「他人、関係ないやろ、まず俺やろ」

ブラマヨ、第1章の終焉と吉田がパチンコから学んだ「他人、関係ないやろ、まず俺やろ」の画像1
『マルコポロリ!』公式Twitter(@marcopolori_ktv)より

 
 8月7日放送『マルコポロリ!』(カンテレ)に、ブラックマヨネーズの吉田敬と小杉竜一の2人がゲスト出演した。題して、「ブラックマヨネーズ徹底解剖SP」である。

『M-1グランプリ2005』で優勝し、2008年頃に東京進出を果たしたブラマヨ。しかし現在は、NGK(なんばグランド花月)での漫才に本腰を入れるべく、数年前から吉田だけ自宅を大阪に移している。

『ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ!』(テレビ朝日系)など、以前は東京キー局での冠番組も持っていた2人。しかし今、東京のバラエティ番組で少なくとも吉田のフリートークを見る機会は減った。

 なにしろ、実力者だ。今はあまり見かけなくなっただけに、吉田がテレビでフリートークをしている姿を目撃するだけで胸が熱くなる。

異常に“芸人ウケ”する芸人、ブラマヨ吉田

 非常に“芸人ウケ”するコンビだと思う。特に、吉田のほうだ。

 ブラマヨは、吉田から小杉に声をかけて結成した組み合わせ。もともとは、「関西キング」というコンビで小杉が、「ツインテール」というコンビで吉田が、それぞれ活動していた。

 その頃から、すでに小杉のツッコミに惚れ込んでいた吉田。関西キングが解散すると聞き、すぐに彼は小杉にコンビ結成を持ちかけたそうだ。その経緯について、司会の東野幸治が掘り下げている。

吉田 「小杉が“ポン!”と空いたわけじゃないですか。僕としては、欲しい人が空いたから。ツインテールをキープしたまま、小杉の気持ちを確認するために呼び出して。『なあ、俺が“組もう”言うたらどうする?』って」
小杉 「で、『そりゃ、やりたいよ』って」
吉田 「僕は、和田(ツインテール時代の吉田の相方・和田義浩)と別れる前に小杉との(組む)約束をしてから、和田に『やめよ』って言ったんです」
東野 「こういうとこ好きなの、吉田の(笑)。自分の人生、失敗したくないもんな?」
吉田 「そりゃそうですよ」

「ツインテール」で保険をかけつつ、「ブラックマヨネーズ」としての未来も思い描いた吉田。しかも、その小利口をエピソードネタに昇華しているのだからたまらない。そんな生き方がツボにはまり、かねてより東野は妙に吉田寄りだ。

 東野だけじゃない。ほんこんは中川家・礼二と共に、ブラマヨのM-1での勇姿をテレビで見ていたそうだ。

「一発目やって、『これ、行くでー』って礼二と言ってて。で、決勝でウケてウケて、『このまま突っ走れ!』って。俺ら、テレビに向かってでっかい声で『頑張れ!』って言うたの、スゴい覚えてんねん。『泥臭い奴らやん、スゴいええわ』と思って」(ほんこん)

 当時、しつこいくらい「華がない」と言われ続けていたブラマヨが、M-1優勝を機にスターダムを駆け上がったのだから、夢しかない大会だった。

M-1制覇はパチンコの「確率の収束」の賜物か?

 もちろん、本人らの中にも人生を変えたM-1の記憶は色濃く残っている。

東野 「何組の中で頂点でしたっけ、吉田さん?」
吉田 「3378組ですね」
小杉 「もう、お前しか覚えてへんぞ(笑)。2005年の頃のデータ覚えてんの、たぶんお前だけやで」
吉田 「この数字を言えなくなったら、老人ホーム入れてください」

 彼らがM-1を制する上で、重要なポイントがあった。くじ引きである。

小杉 「賞レースのときってくじ引きで順番決めるんですけど、それが大事やのに、(いつも吉田が)引いたときは1番とか」
吉田 「『オンバト』(NHK『爆笑オンエアバトル』)とか1番が得なときに最後を引いたり、最後が得なときに1番を引いたりしてたんですよ」

 観覧に当たったお客さんが番組の醍醐味である「玉を入れる」という行為を早くしたがるので、『オンバト』は1番手で登場するほうが有利。逆に関西のコンクールでは、最後のネタが面白いとそのまま優勝するケースが多いため、出番が遅いほうが有利だ。しかし、吉田はいつもその逆を引いていた。

小杉 「あまりにも逆引くから、『俺が引くわ』って言ったら……」
吉田 「M-1のときな? 出番順がほんまに大事やないですか」
小杉 「5~6番が絶対いいんですよ。『俺が引く』って言ったら『いや、確率の収束がくるから待ってくれ』って言うて」
東野 「何、『確率が収束する』って?」
小杉 「それをパチンコで学んだらしいんです」
吉田 「当たりが10分の1やとすると、ずっと僕が引いてハズし続けてたわけやないですか? 『今、大事なときやから』っていうて小杉に代わると、今までのハズレが無駄になるんですよ。『そろそろ収束するはずやから』って。そしたら、5番引いて」
東野 「あーっ、収束した!」
小杉 「『確率の収束やー!』ってなって(笑)」

 この考え方に関しては、2014年に吉田が上梓した書籍『人生は、パチンコで教わった。』(ワニブックス)に詳しい。かつて、1年半ほどパチプロ生活を送っていた吉田。その時期、彼は気付いたことがあるそうだ。

「だいたい月20回くらい(パチンコに)行ったら10勝10敗なんですよね。20連勝なんかはありえなくて」
「それでも、回る台だけずっとやってたら、どっかに一発ドンって4万発、5万発出る日が来るんですよ。その日狙いのために、回る台を、時間ある限りはずっと続けてるんです。『毎日花は咲かへんな』って、そういうことです」
「出ない日は『今日は水やってんねん』『今日は耕してんねん』と、花咲かす準備作業してるんだと言い聞かせて、同じ台でひたすら打ち続けてました」

 つまり、『オンバト』や関西のコンクールでハズレくじを引き続けた吉田は、M-1のために畑を耕していたのだ。パチンコで学んだからこそ、彼は勝負どころでも小杉にくじ引きを譲らなかった。

「もし、僕がパチンコやってなかったら、ビビって小杉に引かせてたかもわからないですね。そうしたら、たぶん小杉が1番引いてたような気がします」
「小杉が『すまん……』って謝ってるシーンが目に浮かびます」

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