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“地味紅白”に日テレは鼻息荒いものの…広告代理店の極秘調査が示した「テレビ離れ」

“地味紅白”に日テレは鼻息荒いものの…広告代理店の極秘調査が示した「テレビ離れ」の画像
Getty Imagesより

 大みそかに放送される『第72回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が11月19日に発表された。

 今年は国民的ヒットソングと呼べる曲もなく、盛り上がりに欠けることは予想されていたものの、案の定、サプライズはなし。そればかりか、不明瞭な「選考基準」に首を傾げた人も多かったようだ。

「NHKは『今年の活躍』『世論の支持』『番組の企画・演出』の3つを中心に『総合的に判断』したと説明。令和初の『紅白』となった2019年からは、定額制(サブスクリプション型)聴き放題の音楽ストリーミングサービスでの人気を独自に調査し、判断材料としているといいますが、しかし、ストリーミングの総再生回数が日本人最速で4億回を突破するなど『ドライフラワー』が大ヒットした優里、流行語大賞にノミネートされるなど『うっせぇわ』が一大旋風を巻き起こしたAdoを始め、『YONA YONA DANCE』がTikTokで話題となっている和田アキ子、ストリーミングでのヒットを連発しているOfficial髭男dismらの名前はなく、辞退あるいは落選となった。

 それでいて、今年はリリースのなかった鈴木雅之が2年連続、近年はめぼしいヒット曲のないPerfumeは14年連続で選ばれている。また、ここにきてKAT-TUNが初出場になるとは、ジャニーズファンですら目が点です。メンバーの亀梨和也がNHKドラマ『正義の天秤』で主演した“貢献度”が評価されたのかもしれませんが、たったの5話ですからね。KAT-TUNはデビュー15周年という節目ですが、それならKis-My-Ft2やSexy Zoneは10周年ですし……」(テレビ誌ライター)

 今年は司会こそ色分けがなくなったものの、白組と紅組の男女に分かれる演出には「時代遅れ」という声も飛び交っている。もし視聴率が爆死すれば、番組の存続も危ぶまれていきそうだ。

 一方、小粒感が否めない紅白出場メンバーを知って、小躍りしたのが日本テレビだ。今年は恒例の『笑ってはいけない』シリーズが休止となり、6時間の生放送特番『絶対笑って年越したい!笑う大晦日(仮)』で勝負をかけることが発表されている。

「このほど内容が固まったようですが、どうやら芸人が東西に分かれてネタを披露。審査員が勝敗を決めるという、簡単に言えば“お笑い版紅白”になるようです。本家『紅白』のキャスティングを見て、関係者は『これならイケる!』と鼻息が荒くなっています」(テレビ関係者)

 そんな折、あるデータがテレビマンたちに衝撃を与えたと言う。民放プロデューサーが声をひそめて言う。

「さる大手広告代理店が、各局のラインナップを並べた大みそかの番組表を13~49歳のコア層に見せ、選挙の事前リサーチと同じ方法で『どの番組が見たいか』とアンケート調査を行ったんです。結果は、大多数の人が『地上波は見ない』と答え、NetflixやAmazon Prime Videoを見て過ごすという人が急増していることがわかった。つまり、『紅白』を見ないからといって視聴者が民放に流れるわけではなく、テレビのパイが小さくなっただけ。となれば、来年以降はますますスポンサー離れが加速していくと予想され、NHKだけの問題ではなくなりそうです」

 “地味紅白”がテレビの「オワコン化」にトドメを刺すことになるかもしれない。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2021/11/26 08:00
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