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本多圭の『芸能界・古今・裏・レポート』

松本人志騒動で株を上げたビートたけしと文春とのビミョーな関係

松本人志騒動で株を上げたビートたけしと文春とのビミョーな関係の画像1
北野武(写真/Getty Imagesより)

ダウンタウン松本人志が、飲み会で一般女性に性的行為を強要したとする「週刊文春」の記事をめぐり、松本が芸能活動を休止したうえ、名誉毀損で発行元の文芸春秋などを訴えた一連の騒動は、来月3月28日に第1回口頭弁論が東京地裁で開かれることが明らかになった。

「週刊文春」による“松本の性加害報道”は、提訴を受けても続き、2月8日発売号の第6弾で証言者は計11人となったが、実はこの取材時に、文春の記者が松本に女性をアテンドしたとされるお笑い芸人を直撃しようとして、あるトラブルを起こしていたという。

「記事の掲載前に、文春の女性記者が、女性をアテンドしたとされるお笑いコンビ『クロスバー直撃』の渡辺センスを取材しようと、『THE SECOND』の東京選考会の会場に来ていたのですが、渡辺ではない違う作家に『渡辺さんですか?』と声をかけてきたそうです。作家さんが『違います』と否定しても、しつこくつきまとってくるのでその場を離れたところ、後日、女性記者が吉本興業に“逃げた”と抗議してきたそうです。そこで、吉本が『その方は、渡辺本人ではありません』と否定すると、真偽を確認したのか、『間違いでした』と謝ってきたそうですが、顔も知らずに直撃するなんて、文春の取材姿勢が問われますよ」(お笑いライター)

 同号で文春は、2008年に港区西麻布のラウンジで行われた飲み会について報じているが、記事中にも気になる箇所があるという。

「記事には、『松本を取り囲むのは、中堅芸人、人気男性アイドル、元プロ野球選手と多士済々だ。世話役を買って出たのが、著書が爆発的な人気を博した後輩芸人だった』」とありますが、当時、“著書が爆発的な人気を博した後輩芸人”といえば、07年に自叙伝『ホームレス中学生』が200万部を超える大ベストセラーを記録した『麒麟』の田村裕以外思い当たらないのですが、田村はそのラウンジには行っていません。本当に他にアテンドした後輩芸人がいるのか、それとも文春の記事に間違いはないのか、気になります」(田村を知るお笑い関係者)

 文春の松本報道を受けて、NSC(吉本総合芸能学院)の同期である女性お笑いコンビ「ハイヒール」のリンゴは、「文春が正義みたいな、いつのころからか、文春が世の中に対して鉄槌を打つみたいな風潮に、ものすごい違和感を感じる」と情報番組内でコメントしていたが、筆者も文春の“正義”には強い違和感がある。

 それは、お笑い界の重鎮・ビートたけしをめぐる報道を見てきたからだ。

 文春が、たけしの不倫問題を報じたのは2014年のこと。記事のタイトルは「ビートたけし“100億円愛人”『カミさんに全財産渡して一緒になる』」だった。この報道にたけしは、「100億円なんてあるわけねえだろ!」と激怒していがが、18年、たけしが『オフィス北野』から独立した際、今度は「週刊新潮」が、独立のいきさつについて、当時、不倫関係だった恵美子さん(19年に再婚)に“洗脳された”という記事を報じた

「たけしは新潮社から何冊も本を出していたうえ、『新潮45』(休刊)で連載を持っていたので、まさか、『週刊新潮』に自身のスキャンダルを報じられるとは思っていなかったようです。そこで、新潮の幹部に抗議したものの、逆に幹部から、“週刊新潮は独立した報道機関。新潮社から本を出版しているからといって、記事は止められない”とハッキリ言われたそうです」(元事務所関係者

 これで新潮と喧嘩状態になったたけしは、19年以降、新潮社のライバルである文藝春秋から『キャバレー』を始め、次々と本を出版するようになった。

「新潮への意趣返しだけでなく、『週刊文春』にスキャンダル記事を書かれないようにするためでした。実際、たけしの本が出版されるようになってから、たけし絡みのスキャンダルはボツになりました」(文春の内部事情に詳しい出版関係者)

 しかし、19年4月25日号では、たけしの長男A氏の独占インタビュー「たけし長男怒りの激白『お父さん、ダサいよ』」が掲載された。

「『怒りの激白』というタイトルでしたから、期待して読んだら、たけしにダメージになるようなことはほとんど書かれていませんでした。実は、A氏が文春の取材を受けたことを知ったたけしサイドは、A氏と親しかったたけし軍団のメンバーに、インタビューを思い留まるよう説得を頼んだんです。もっとも、その説得は失敗に終わるのですが、結局、文春の書籍担当から週刊文春にクレームが入って、たけしにマイナスになることはほとんど削られたそうです。担当記者は激怒していたそうですよ」(元『オフィス北野』スタッフ)

 そのたけしは、松本の性加害報道を受けて、自身の冠番組『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)で、松本の遊び方を「セコい」と一刀両断し、一部メディアから持ち上げられている。

「“たけしは、関係を持った女性にかなりに金額のお金を渡していた。その点、松本はセコすぎる”とたけしを称賛する記者もいるようですが、女性蔑視という意味では、両者はたいして変わらないでしょう。実際、たけしだって、過去には何人もの女性を泣かせて、家族を苦しめてきましたから。当時は、“芸人にとって、女遊びは芸の肥やし”だったのかもしれませんが、それも昔の話。今は芸能人にもモラルが求められるようになっていますが、だからといって、松本だけを徹底的に責めるのは不公平なのではないか、という思いもあります」(お笑い関係者)

 はたして、来月からの松本vs文春訴訟はどんな展開となるのかーー。

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2024/02/28 09:00
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