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【退屈巡礼】vol.23

貝殻5,000万個分! ちょいグロスポット「蒲郡ファンタジー館」の幻想奇景

vol23-05.jpgさぶいぼが立つほどの美人さんです

この退屈なご時世に、退屈しのぎに退屈そうな場所に行ってみるシリーズ【退屈巡礼】。第23回は、愛知県蒲郡市にある強烈スポット「蒲郡ファンタジー館」をたずねてみました。ファンタジー館の様子はこちらから

 いわゆる”珍スポット”と呼ばれる施設にもいろんなタイプがありますが、大きく分けると、「まったくやる気が感じられない」ものと「こだわりが強すぎて普通じゃなくなってる」の2タイプがあるんじゃないでしょうか。今回紹介するのは、明らかに後者の「こだわり系」。その中でもかなり強烈なインパクトを発散している「蒲郡ファンタジー館」です。


 ここのこだわりポイントは「貝」。世界110カ国から蒐集した約5,000万個もの貝殻で、館内のほぼすべてのオブジェが作られているというミュージアムなのです。……とまぁ、行く前から話には聞いていたものの、正直それほどスゴさを理解していなかったところもあったのですが、実際に行ってみて、まさに「百聞は一見にしかず」とはこのことか! と実感しました。

 ちょっとした花や岩、魚たちから人魚にいたるまで、そのすべての表面がびっしりと貝で埋め尽くされている迫力! どちらかといえばもっとチープなものを想像していたのですが、むしろ造形のレベルは高く、伊達に「ファンタジー館」と名乗っているワケではない幻想的な光景です。しかし、まさに執念の塊のようなおびただしい数の貝には、美しさと同時に軽いグロさや毒気にあてられて、文字通りクラクラするほど。特に人魚などの女性像はやっぱり他よりも気合いが入っているせいか、別に「秘宝館」のようにいかがわしいところではないにも関わらず、江戸川乱歩的な妄執を感じずにはいられません。

 そしてひと通り海底のファンタジー世界を堪能したあとは、人によってはトラウマもの(フジツボやら、一時ネット界隈で流行した”蓮コラ”が苦手な人は要注意?)かもしれない、オウムガイとウニの殻でびっしりと覆われた「ノーチラストンネル」を抜け、いよいよピンクの照明が妖し~い雰囲気のエリアに。かなり淫靡なムードの人魚が登場したので、「もしかして、ここからエロ系?」と思いきや、メイン展示の「竜宮城」へ。この”寸止め感”も素晴らしい!

 そして竜宮城内部ですが、さすがメインなだけあって電気仕掛けで乙姫様たちが廻る装置などでド派手な演出がされております。モーターのゴトンゴトンという音も含めて、「ザ・昭和」という空気にあふれかえっているのもむしろいい案配。ハマる人にはとことんハマりそうな、本来の意味でのパラダイスでした。

 なにより驚きなのが、こういった施設にありがちな「メンテナンスが足りてなくてボロい」ということが一切ない点。貝のストックは、今や世界的に貴重なものも含めて十分にあるそうで、実によく手入れがされていました。なにせココ、B級スポットのようでいて、実は観光バスで団体客も来るメジャーなところですからね。まぁ、たまたまかち合った団体客のみなさんは、足早に出て行ってしまいましたが……。せっかくこんな超非現実的な奇景なのに、もっと堪能しましょうよ!

vol23-01.jpg入口からすでに貝で覆われているアクセル全開っぷり。
最近の薄味おしゃれスポットしか知らない世代には、ちょっと強烈すぎるかも。
vol23-02.jpgvol23-03.jpg音と光、そしてあとは貝しか無い幻想的空間。床下まで一分のスキもなし。
いろんな意味で夢に出そう。
vol23-04.jpgやはり人魚は特に力の入り方が違うような。これでもかという執念を感じる。
vol23-06.jpg一見なにげない魚も、近寄ってみればすべて貝。
この調子でほぼ全ての物が作られている。
vol23-07.jpgvol23-08.jpgオウムガイとウニの殻で埋め尽くされた「ノーチラストンネル」は大きな見どころのひとつ。
このびっしり感、苦手な人は苦手そうですが、とにかくインパクトは抜群。
vol23-09.jpg一瞬ここから秘宝館的なエロコーナーかと思ってしまいそうな人魚。
そっちに行きそうで行かないのがまたいい。
vol23-10.jpgvol23-11.jpgvol23-12.jpg貝で埋め尽くされた竜宮城。たしかに夢のような不思議な光景であることは間違いなし!

ご利用の心得
・とにかく貝づくし。なかなか他では見られない奇景を堪能しましょう。
・昭和の香り濃厚な展示なので、レトロ趣味な方にもオススメ。
・どうせなら、おみやげコーナーやレストランなどの「いかにも観光地!」といった施設もご利用を。

あまり親切でないご利用案内
■営業時間 午前9時から午後4時
■休業日 無休
■入場料 大人(中学生以上)700円 小人(4歳以上)400円
■所在地 愛知県蒲郡市竹島町28-14
■アクセス JR東海道線・蒲郡駅から徒歩約20分。車の場合は、東名高速音羽・蒲郡I.Cよりオレンジロード経由で約20分。
■HP <http://www.kankou.city.gamagori.aichi.jp/navi/spot/fantasykan.html>
(取材・文/大黒秀一)

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最終更新:2014/06/19 13:14
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