「兆が一にも復帰はない」はずの柿谷曜一朗がセレッソ復帰へ　日本人が海外で成功するために必要なものとは？

「正直、試合での出来が他の選手に劣っていたかといえば、そうでもなかったんです。それでもうまくいかなかったのは、チームに溶け込めなかったことが原因でしょうね。ヨーロッパで成功するためには、実力よりもまず、コミュニケーション能力が必要です。少なからず人種差別もあるでしょうから。中田や本田のように個性の強さで周りを無理やり納得させるか、長友や香川のようにチームのマスコット的な存在になるかが重要なんですが、柿谷はどちらにも振り切れないだったのが痛かったですね。野球でいうと、イチロータイプか川崎タイプでないと成功は難しい、といったところでしょうか」（同）

　残念ながら、柿谷のヨーロッパ移籍は失敗だったといわざるをえないだろう。しかし、サッカー選手の長いキャリアの中で、一度も挫折を味わわない選手はほとんどいない。カズや中田や本田だって何度も苦渋をなめている。まだ26歳の柿谷には、これからも長い選手としてのキャリアが待っている。ここで腐らずに、まずはセレッソ大阪をJ1に昇格させ、いずれは日の丸を背負う勇姿を見せてほしい。
（文＝沢野奈津夫）