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民営郵政トップは独裁者!? 三井住友贔屓で不協和音



 従業員24万人を超える巨大企業グループが、マーケットに躍り出た。郵政民営化で10月1日に誕生した、日本郵政グループのことである。たとえば、簡易保険事業を受け継いだ「かんぽ生命」の総資産は約112兆円。これは、民間最大手の日本生命保険の約52兆円の2倍以上にあたる。

 なみいる大手民間企業が恐れをなすこの巨大グループのトップに立つのが、元三井住友フィナンシャルグループ社長の、西川善文社長。旧住友銀行の頭取時代に旧さくら銀行との合併を成し遂げるなど、際立った存在感から「最後のバンカー」との異名を取った。昨年1月に、旧知の竹中平蔵・元郵政民営化担当相に請われる形で、郵政民営化の準備会社の社長に就任、いよいよ民営化を達成したあとは、「民営化してよかった、と心から喜んでもらえるような企業を目指す」と鼻息を荒くするが、これに対して郵政グループの社員は、「彼にはついていけない……」(中堅幹部)とため息を漏らす。

「担当者を社長室に呼び出しては『あれはどうなった、これはどうなった』と一方的に指示を出し続け、回答が遅ければ『対応が遅い!』と激高するんです。回答を持っていっても『工夫が足りない』ですからね……」(同)

 この「完璧なトップダウン方式」(同)にはノイローゼ状態になった担当者も少なくないそうで、多くの社員が困惑しているという。だが、当の西川氏は周囲の記者に「役人気質が抜けないから、ショック療法で民間意識を叩き込んでいる」と話すなど、意に介さない。


三井住友で固められた中枢部

 しかし最近の西川氏には、「ファッショ」とさえいうべき独善的な経営体制を敷いているという批判も根強い。

 あるメガバンクの幹部は、「郵政グループの中枢は、西川さんの出身母体の三井住友系の人間ばかり。ほかのグループが入り込む余地がない」と指摘する。その言葉通り、現場の社員として、三井住友銀行や住友生命、三井生命などといった三井住友系の人間が多数出向している。旧郵政省時代からの社員は、「社内を歩いていても見たことのない人ばかりで、声をかけると三井住友系の人間が驚くほど多い」と話す。優秀な社員を集めた結果であればまだよいが、ゆうちょ銀行が取り扱う変額年金保険に住友生命の商品を選ぶなど、「三井住友に有利な決定を進めている」(大手生保幹部)という批判も集まる。

 とりわけ、旧日本郵政公社の生田正治前総裁が今年3月末に退任してからは、この“西川ファッショ”が激しくなっているといわれる。郵政民営化は国家事業であり、トップの出身母体に利するようなことになっては、国民の利益を損なうことにもなりかねない。西川氏には、十分ご注意願いたいものである。
(千代田文矢)

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2007.11.06 火  



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