
日本アニメーション界2大巨匠の新作が揃って公開中だ。ひとつはすでに大ヒットを記録中の宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』。もう一方は先週末2日から公開された押井守監督の『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』。この2本、どちらも今月27日から開催の第65回ベネチア国際映画祭で、最高賞の金獅子賞の対象となるコンペティション部門に出品が決定している。ちなみに北野武監督の『アキレスと亀』(9月20日公開)も同映画祭コンペ部門への出品が決定しており、コンペ部門全19作品中3作品が日本映画で、うち2作品がアニメーション映画という状況になっている。

『ポニョ』/(C)2008二馬力・GNDHDDT
『崖の上のポニョ』はご存知のとおり、人間になりたいと願うさかなの子・ポニョと、5歳の人間の男の子・宗介の物語。子どもたちの純でまっすぐな気持ちを臆面もなく描き、シンプルだが躍動する画面に“アニメーション(=動く絵)”としての面白さも加わった快作。

宮崎監督は『ポニョ』で、キャッチコピーにあるように「生まれてきてよかった」といえる物語を紡ぎ、押井監督は「もう一度生まれてきたいと思う?」というキャッチコピーの『スカイ・クロラ』を作った。2巨頭が全く同時期に“生きる”ことをテーマにした作品を作るというのも、なにか運命めいたものがあって面白いが、宮崎・押井といえば、1984年にともに現在のキャリアの一大起点ともいえる『風の谷のナウシカ』と『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を発表。2004年にも『ハウルの動く城』と『イノセンス』が同年公開で、そして今年の2作はともに2人が近年培ってきた作風を変えたという意味で新たな転機になりそうな作品。そんな不思議な偶然もある。
普段は映画やアニメを見なくても、宮崎作品だけは見るという人も少なくないほど国民的存在の宮崎アニメに対し、コアなアニメファン、映画ファンに支持される押井作品という印象があるが、どちらかを(あるいは両方を)食わず嫌いしている人がいたとするなら、今は2人の作品を同時に見られる良いチャンス。安易なTVドラマの映画化作品ばかりが蔓延している日本映画界にあって、世界にも通じる監督自身の作家性や、実写を超える表現力・技術力を備える彼らの作品を体験してほしい。
(eiga.com編集部)
作品の詳細は以下より。
『崖の上のポニョ』
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』
『アキレスと亀』
『ポニョ』が宮崎版「人魚姫」なら、こちらはギリアム版「アリス」です。
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