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ついに高画質フルセグ搭載スマホ登場 普及のカギ/課題は大量録画と受信感度

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。

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ついに高画質フルセグ搭載スマホ登場 普及のカギ/課題は大量録画と受信感度 – Business Journal(5月22日)

 5月7日に開催されたソフトバンクスマートフォンの2013年夏モデル発表会で、ついにフルセグTVチューナー搭載の機種が登場してきた。シャープの「AQUOS PHONE Xx 206SH」と富士通の「ARROWS A 202F」だ。従来スマートフォン(スマホ)に搭載されているテレビ機能は、ワンセグと呼ばれるやや解像度の粗い映像(320×240ドット)にしか対応しないものだったが、これが高解像度なハイビジョン地上波デジタル放送(フルセグ放送)に対応するようになる。

5月7日、ソフトバンクのスマートフォン2013年夏モデル発表会

 今回の地上デジタル放送対応の実現には、最近のスマホ・ディスプレイの高解像度化が一役買っている。少し前のスマホでは、1280×720ドット程度のHD解像度のディスプレイが多かったが、この程度の解像度では高解像度なデジタル放送の美しさを表現できない。

 フルセグチューナー搭載スマホをリリースしたシャープはテレビメーカーでもあり、機種名「AQUOS PHONE Xx 206SH」には、同社のテレビブランド「AQUOS」が入っている。それだけディスプレイの表示クオリティにも気を使っているというわけだ。

 そして、フルセグ解像度を維持したまま録画もできるのが、この「AQUOS PHONE」の利点。一方、富士通の端末「ARROWS」はリアルタイム放送はフルセグで視聴できるが、録画はワンセグでしかできないというちょっと残念なものになっている。ちなみに「AQUOS PHONE」は動画を本体メモリと外部メモリ(microSD)に保存できるため、microSDを取り替えることで、ユーザーは大量の録画をすることができる。

 また、録画予約に関しては「Gガイド」の番組表で普通のビデオレコーダーのように行えるのもいい。

ワンセグより圧倒的に美しいフルセグ映像。写真はドックに接続した「AQUOS PHONE」
ドックに接続した「ARROWS」
「AQUOS PHONE」で番組表を表示したところ

●フルセグ搭載スマホの弱点とは?

 しかし、フルセグ搭載もいいことばかりでもない。

 問題の1つはアンテナ感度だ。ワンセグは解像度が低いかわりに、電波をキャッチしやすく、室内でもそこそこ視聴できる。これに対してフルセグは、より電波状態が良くないと正常に受信できない。「AQUOS PHONE」の搭載するようなアンテナでは戸外ではほぼ受信できるものの、室内での視聴はかなり厳しいのだ。大型のテレビ用アンテナでも、いい角度でかつ窓際などでないと受信しづらいため、室内アンテナで地デジを視聴している人なら実感できる話だろう。主に戸外でしか使えないと考えておく必要があるわけだ。

 室内でもフルセグが受信できるようなポータブルテレビもあるが、それらは高感度なダイバーシティアンテナを搭載したような製品で、「AQUOS PHONE」のような普通のスマホのアンテナでは無理な話だ。

「AQUOS PHONE」のアンテナ。ワンセグ搭載機よりは少し長いアンテナだが、テレビのアンテナとしてはプアだ

●録画には大容量microSDメモリカードを

 また、「AQUOS PHONE」はフルセグ録画ができるが、高画質なフルHD映像の録画には大きな容量が必要になり、1時間の録画で約8GBの容量になる。25GBのブルーレイディスクに地デジ映像が約3時間しか録画できないのだから無理もない。2〜3時間のテレビ番組や映画を録画しようと思ったら、16〜32GBのmicroSDメモリカードを用意する必要がある。

 視聴した後に消せば、何度でも使えるわけだが、録画を保存しておきたいようなユーザーの場合、大量のmicroSDカードが必要になりそうだ。「ARROWS」のように録画はワンセグというモデルであればこの問題はないが、逆に粗い映像でしか録画できないので、ちょっとがっかりだ。

ワンセグが72時間50分録画できる空き容量で、フルセグは33分しか録画できない

 いずれにしても高画質なフルセグ映像を見慣れてしまうと、もうワンセグには戻れない。フルセグチューナー搭載は、今後のスマホ選びの重要なポイントの1つになっていく予感がする。現在のシャープ、富士通を除く国内メーカーのスマホのトップモデルはワンセグチューナーを搭載しているが、今後、これがフルセグチューナーに変わっていく可能性は高そうだ。
(文=一条真人/フリーライター)

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最終更新:2013/05/23 14:00
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