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「狭いコネクションリストから選ぶか、代理人の売り込み待ち」Jリーグ監督選考の実情

51MVkqqs9+L._SS500_.jpg『トルシエの眼力 岡田ジャパン「W杯4強」へのイバラ道』(徳間書店)

 各国共にシーズンオフになると、さまざまな臆測が飛び交うサッカー界。スター選手の移籍はもちろんだが、チームの根幹となる監督選考もホットなトピックスの一つだ。

 そんな欧州リーグとは違って、話題性に乏しいのがJリーグだ。「Newsweek」は、日本の総理大臣のポストを「順繰りに回ってくるカラオケバーのマイク」と評したが、Jリーグの監督にもそれが当てはまる。むしろJリーグのほうが深刻で、歌がヘタな監督にマイクが2度も3度も回ってくる。

 その最たる例が、来季のJ2降格が決まっているジュビロ磐田の新監督候補に、元日本代表監督・トルシエ氏が浮上していることだ。トルシエ氏は日本代表監督後、渡り歩いたクラブでまったく結果を残せていない。にもかかわらず、いまだに名前が挙がるというこの現状。なぜ、このような監督人事がまかり通るのか?

 それはひとえに、監督を決めるゼネラルマネジャー(GM)にコネクションがないからだ。これまでの日本代表監督人事を見ても、それは一目瞭然。ファルカン氏はセルジオ越後氏、トルシエ氏はアーセン・ベンゲル氏の紹介と、日本サッカー協会が持っているコネクションから監督を招聘してきた。

 この手法と別のやり方をとったのが、日本サッカー協会技術委員長である原博実氏だ。原氏は、JクラブのGMとは違い、コネクションを探しに探して、欧州のトップ監督と交渉を行った。そこで、三番煎じではあるが、現在のザッケローニ監督をつかまえた。一方のJクラブはというと……。

「A氏がGMに就任した時に、知り合いの同世代のS級ライセンス(Jリーグおよび日本代表監督を務めるために必要な免許)保持者が見つからなかった。そこでA氏は、確執のあったB氏にオファーをした。2人のサッカー観はまったく違うんですよ。B氏も驚いて『俺でいいのか?』って。もちろんこの年、ウチのチームは勝てなかったですけどね(苦笑)」(Jクラブ関係者)

 これは極端な例だが、このように、GMのコネクションのみで監督が決まっていく。原氏のように、「俺がGMになったら、この監督を」というサッカーに対する理想があるGMは稀有である。狭いコネクションリストから選ぶか、代理人の売り込み待ちというのが現状である。だからいつまでたっても、Jリーグは新陳代謝が起こらない。来季でいえば、セレッソ大阪がいい例で、自分たちより順位の低かったFC東京のポポヴィッチ監督を就任させるくらいだ。ほかにも、大宮アルディージャが招聘する大熊清監督も何度もJクラブの監督を務めているが、手腕には疑問符がつく。

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