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佐村河内守氏の“ゴーストライター”新垣隆氏に、ゲーム業界からラブコール「ぜひ新作を!」

samura0220.jpg『堕ちた“現代のベートーベン”「佐村河内守事件」全真相』(文藝春秋)

 作曲家として知られていた佐村河内守氏の“ゴーストライター”として、実際に作曲を行っていた新垣隆氏に、ゲーム業界から「新作の音楽を担当してほしい」という、ラブコールが上がっている。


 新垣氏はクラシック音楽の分野では知る人ぞ知る作曲家だったが、ゲーム音楽を手がけたことは意外に知られていない。2001年にヒットしたゲーム『鬼武者』では、制作チームの一員として活躍。表舞台でその名前が知られることはなかったが、関係者間の評価は高かった。それを知っているゲームプロデューサーが「このまま業界から消えるのはもったいない」と、仕事を依頼したい意向であるという。

 皮肉にも今回の騒動で、新垣氏の作曲したものが収録されているアルバムは需要が急増。佐村河内氏の偽った経歴には批判が集まっているものの、これまで発表された曲自体は、専門家たちからも「かなり熟練されている」と評価する声が上がっており「我々はスキャンダルな騒動よりも、新垣氏の実力にこそ目が行く」と前出プロデューサー。

「私以外にも、ゲームメーカーで新垣氏とコンタクトを取りたがっている人はたくさんいます。こういう話があると、話題作りのために彼を起用したいように聞こえるかもしれませんが、作曲家として堂々と活躍できる方を見捨てられない」(同)

 ただ、新垣氏は現在、姿をくらましている状態。桐朋学園大学の非常勤講師だったが、騒動を受けて退職を申し出ていた。大学側もこれに「新垣隆氏の私的な行為とはいえ、本学と致しましても誠に遺憾であり、今後、経緯や事実関係などを詳しく調査したうえで、厳正に対処いたします」と処分を科す方向でいたが、生徒たちから温情を求める声が相次ぎ、「現在は、退職自体が白紙の状態」(大学関係者)という。

 ゲーム業界からも大学に問い合わせがあるようだが、大学側は「新垣氏については、ホームページに記載している以上の情報は掌握していません」と、前記のコメント以上のものは出していない。

 新垣氏を知る関係者からは、「もともと表に出たがるタイプの方ではなかったし、非常に謙虚な人物。今回の騒動で自らの罪の意識も感じている様子で、そう簡単に仕事のオファーに応じることはないのでは」という。

「ただ、作曲家としての活動は続けるはずですから、騒動が沈静化したら話はできるのでは」(同)

 現在、佐村河内氏の聴覚障害に“偽装”の疑いも出てきたことから、騒動が収まる気配はない。佐村河内氏自身が近く記者会見を開く予定だという話もあり、そうなると騒ぎはもうひとヤマありそうではある。前出プロデューサーは「できれば、夏に制作予定の歴史モノのシミュレーションゲームの楽曲をお願いしたい」と話している。曲に感動したファンからは、才能に偽りはない新垣氏の仕事復帰が待たれるところだが……。
(文=ハイセーヤスダ)

最終更新:2014/02/20 08:00
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