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チャットモンチーが語る“音楽と寄り添う人生”「その時の自分の状態によって、音楽は変わっていく」

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【リアルサウンドより】

 チャットモンチーが6枚目のオリジナルアルバム『共鳴』を5月13日にリリースした。本作は、サポートメンバーを迎えて4人体制として生み出した初のアルバム。「男陣」として恒岡章(Dr. / Hi-STANDARD、CUBISMO GRAFICO FIVE)、下村亮介(Key. & Cho. / the chef cooks me)、「乙女団」として世武裕子(Piano, Synthesizer)、北野愛子(Dr. / DQS, nelca / ex. your gold, my pink)が参加しているほか、チャットモンチーと恒岡章のスリーピース、チャットモンチーのふたりという、計4パターンのメンバー編成による楽曲が収録されている。それぞれの楽器編成を反映し、新機軸と呼ぶべきサウンドをたっぷりと収めた充実作『共鳴』について、また一つの転換点を迎えたバンドキャリアについて、二人が大いに語ってくれた。(編集部)

「ずっとギターが鳴ってなくてもいいと気づいた」(橋本)

――シングル『ときめき/隣の女』のインタビュー(チャットモンチーが明かす、デビュー10周年の現在地「やりたいことが進化しているのはすごく幸せ」)では、当時制作中の本作について「ヒッピーもいればボンテージの人もいる、アイドルもいればラッパーもいる」と語っていました。実際のアルバムは、4パターンの編成による多彩なサウンドで、まさに新機軸を打ち出した作品になりましたね。

福岡晃子(以下、福岡):チャットモンチーは3ピースのときからずっと“引き算”ばかりしてきたから、音が増えることやメンバー以外の人とやること自体がまず大きな変化でした。でも『こころとあたま/いたちごっこ』あたりから音を重ねる作業にも興味が出て。そうすると、やりたいジャンルが次々に出てきて、それで今回、いろんなものに挑戦してみたんです。だから、自分が個人的に好きな音も入れられて。そういう意味でもかなり好きなアルバムになりましたね。

――具体的に、好きな音を入れた曲とは?

福岡:アルバムの曲で最初にできた、3曲目の「ぜんぶカン」というラップの曲です。ああいう曲は今までのチャットにはなかったので、作ってみたいという思いがありました。まず、えっちゃんがラップの詞を作ってきて、それをアコギで披露してくれて。そこでメロディがわかったから、もう一度作り直した、という感じです。

――絵莉子さんご自身の中に、ラップという引き出しがあったのでしょうか?

橋本絵莉子(以下、橋本):いや、ほぼないです(笑)。スチャダラパーさんとコラボして曲を作ったり(「M4EVER」/スチャダラパー『1212』収録)、group_inouさんとライブしたりして、その頃から芽生えてきたくらい。この曲はギターを弾いてないんですけど、アルバムとしても今回はギターの居所を考えたというか、ずっとギターが鳴ってなくてもいいということに気づいたんです。“あたしが鳴らさなくてもいい”という意識を持てたのは初めてでした。

――なるほど、ギターのポジションが大きく違うわけですね。晃子さんはトラックを作る際、どんなサウンドをイメージしました?

福岡:ヒップホップの作り方を全く知らなかったから、「どうやって作ってるんやろ?」っていうところからのスタートでしたね。とりあえず、ビースティ(・ボーイズ)っぽいのがいいなと思いつつ、ドラムから作ってみて。本当はドラムの一音一音をサンプリングしてビートを作るんでしょうけど、本当にわからないので、自分で叩いたドラムを変換して、後で音を乗せ変えてみたりしたんです。そういう作業も初めてでしたね。

――ビースティ・ボーイズの『イル・コミュニケーション』あたりの感覚ですね。

福岡:そうですね。なんか、上手さよりもワクワクする感じのビートのほうが生っぽくていいいかなって思いました。一方で、ウワモノはけっこう機械っぽくてもいいのかなと。

――パンキッシュなバンドっぽい部分とダンスミュージックがミックスされていて、ヒップホップでもあるし違うものでもある、斬新なダンスナンバーになっていると思います。

橋本:この曲ができたから、またギターをちゃんと使った曲をやりたいと思いました。最後まで「これやったから今度はこっち」って、幅を感じながらアルバムを作っていきましたね。

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