日刊サイゾー トップ > その他  > 姫乃たまワンマンライブセルフレポ
【おたぽる】

5年ぶりのワンマンライブを終えて——姫乃たまはアイドルになれたのか?

 終盤になるにつれて、ヒップホップダンスとジャズダンスを混ぜた、踊る楽曲が増えてくる。藤井洋平さん作曲の『そういうこと』を歌い終わると、私を照らしていたスポットライトが消え、次にスポットライトがついた時、そこにはギターを持った藤井洋平さんが立っていた。

 その間、私は楽屋に戻り、赤いドレスに着替えていた。髪に薔薇の生花をあしらってもらっている時、モニターで見た藤井洋平さんのギターソロは、プリンスが再来したようだった。アルバムの中で問題曲とされていた『人間関係』のイントロが流れ、藤井さんがギターを鳴らすと、私は歓声に包まれて舞台に戻った。東京の夜景や、ミラーボールの映像を背景に、藤井さんと歌う。この日までファンの人にも披露していなかった『人間関係』の振付は、ロックを取り入れたせいか、コアなファンからも驚きの声があがった。今まで私が、汗をかくまで歌うことや、かっちりとしたダンスを避けてきたからだと思う。

 セットリストが残り2曲になった時、他愛のないMCをした。いきなりステーキに初めて行った時、300グラムのステーキが1300円で売られていて、もうこれはいつかタダになるんじゃないかと思って驚いた話。いきなりステーキがタダになった時、きっとチェーン店の安居酒屋もタダになって、医学の発展で私たちの寿命は600歳になる。そしたら、ずっと長く一緒にいられますね、という話だった。人間の心臓はどんなに保っても~とか、野暮なことを言う人は誰もいなかった。

 踊っている時、客席と私は、見る人と見られる人にわかれて、関係が一方通行になってしまう。舞台で話している時、ひとりひとりの相槌や表情を見ることで、やっと私たちは向き合える気がする。

 最後に、『くれあいの花』を歌う。宇宙に放り出されたような映像と、暗い照明と、無機質な振付。私が指をさすと、星が点滅するように、頭上の箱がひとつずつ光った。すべての関係者が、不思議とこの曲には最初からまったく同じイメージを抱いていた。この時ようやく、私たちの力が足し算からかけ算にかわるのを感じて、最後のサビで少しだけ声が震えた

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