プロ野球開幕! プロ野球といえば“球場メシ”!! メシ情報とウンチク満載の球場食漫画『球場三食』 作者・渡辺保裕 インタビュー
■主人公・日下昌大の見た目は編集担当、中身は作者がモデル?
── 主人公の日下昌大は何歳くらいの設定なんですか?
渡辺 近鉄の助っ人・ブライアントが東京ドームの天井にあったスピーカーに直撃弾を放った(1990年6月)場面を子どもの頃に見ているので、80年代生まれの30歳ちょっと、という感じです。ルックスは担当編集の人がモデルです。細くてシュッとしています。
── 野球の話で盛り上がったのがこの連載のきっかけということですから、野球が好きなんですよね?
渡辺 すごく好きですよ。横浜生まれの横浜育ち。いまは横浜(DeNA)ファンですが、小さい頃は西武ファンだったそうです。90年代の西武は強かったですからね。
── なんと! 渡辺先生は、いまは亡き近鉄バファローズの猛烈なファンですよね?
渡辺 はい、そうです。ですから、当時は憎っくきライバル球団ですね(笑)。
── ぶっちゃけ、担当編集さんとは仲良くやっていますか(笑)?
渡辺 もちろんです。軟式野球審判員の資格をもつほどの野球好きですし、私がのめり込み過ぎるとブレーキをかけてくれますし、逆に「ここはもう少し突っ込んだほうが」と背中を押してくれます。いつも楽しく打ち合わせをしていますよ。
── 本編では、日下が語る体裁で近鉄ネタが結構あります。
渡辺 いやいや、結構どころか、明らかに多いです(笑)。あと、プロレスネタも。このへんは趣味丸出しです。担当編集からは、「言われたくないだろうけど、あまり入れないくださいね」と釘を刺されています。これでも自分としてはセーブしているんですけどね。
── すると、日下は見た目が編集さんで、中身が渡辺先生ご自身がモデルということになるわけですね。こういった漫画を描くにあたり、近鉄ファンとして深く愛情を注いでいたことが逆に生きている部分はありますか?
渡辺 近鉄が消滅してからは、プロ野球を親のような気持ちで客観視して見るようになりました。特に1990年代に宿敵だった西武は憎んでいたほどでしたが、今になって西武ドームに通うと、敵味方なく両方から見るのも案外面白いなと感じます。
── ただ昔の伝説的なネタは、いかんせん近鉄に絡みがちになる?
渡辺 そうですね。たとえば藤井寺球場編では、80年代の近鉄を回想するシーンに、梨田昌孝(現楽天監督)が大昔に出版した『燃えろキャッチャーミット』という自伝本やフェイスガードをつけたマニエルを背景に入れたり、実は背景の観客のなかにはキダタローと、藤田まこと、井上ひさし、榊莫山先生、ぼんちおさむ、関根潤三などを小さく描いてまぎれ込ませています。(笑)
── 全部、近鉄ゆかりの人で固めている!
渡辺 そう、自己満足なんですけど、(デジタル作画だと)拡大すれば描けちゃうから。西武ドームの回でも、清原和博、桑田真澄、東尾修の3人を描き込んだり。よく見るとわかりますよ。いろいろ遊んでいるので、ぜひ探してみてください。
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