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フォトジャーナリストの福島菊次郎さん。ピカドン、学生運動、自衛隊、
軍需産業、三里塚闘争、水俣病、祝島……とカメラで真実を写し出してきた。

 “カメラマンは法を犯してもかまわないんです。問題自体が法を犯しており、それを暴くためならば”。ジャーナリストのあるべき姿を簡潔な言葉で表現してみせたのは、現在90歳となる報道カメラマンの福島菊次郎だ。この言葉はとてつもなく説得力がある。1967年、菊次郎は「撮った写真はすべて検閲を受ける。許可を得た写真のみ雑誌に掲載する」という約束を防衛庁と交わし、自衛隊と兵器産業の内部を3年間にわたって取材撮影する。自衛隊の軍事演習の様子だけでなく、国内の大企業で戦車、潜水艦、ミサイル、戦闘機が製造される過程まで撮影した。菊次郎は予め「撮影禁止場所」を指定してもらい、その区域を重点的に隠し撮り、盗み撮りした。後に写真集『迫る危機 自衛隊と兵器産業を告発する!』(現代書館)として刊行されるこれらのスクープ写真を“武器よさらば”というタイトルで雑誌に掲載する。もちろん事前検閲という約束を反故しての行為だ。雑誌の発売前に防衛庁広報室に呼び出された菊次郎は、雑誌の青焼きを手にした広報課長から「貴様、騙しやがったな」と責められるが、当の本人は平然と言い放つ。「憲法を破って、国民を騙しているのはあなたたちでしょう?」と。写真集が発刊された1970年、菊次郎は暴漢に襲われ、鼻骨骨折。数日後には不審火で自宅を焼かれてしまう。それでも菊次郎はシャッターを押し続ける。ドキュメンタリー映画『ニッポンの噓 報道写真家・福島菊次郎90歳』はカメラを武器にたった1人で日本国を相手に戦い続けている男の記録だ。

nipponnnouso02.jpg
愛犬ロクと共に朝食を摂る福島菊次郎さん。
生活保護を受け取ることを拒否し、男手で
育てた子どもたちからの援助も断って一人
で暮らしている。

 狙撃手が放つ銃弾のように、福島菊次郎がその人生を賭けてシャッターを押してきたモノクロ写真の1枚1枚が見る者の網膜に突き刺さる。菊次郎の最初の被写体となった広島の被爆者である中村杉松さんの太ももには、原爆症の苦しみを一瞬でも忘れたいがために押し付けた刃物の傷跡が幾重にも刻まれている。怒りと苦しみと絶望の年輪だ。『戦場からの報告 三里塚・終わりなきたたかい』(社会評論社)では機動隊と対峙する学生たちが竹槍で武装し、メラメラと殺気が立ち上っている。国内の軍需工場では最新鋭の戦闘機の前で若い作業員たちが自慢げな笑顔を見せている。菊次郎の撮った写真は、戦後日本の平和がいかに“噓っぱち”だったかを訴えている。狙撃手と菊次郎が違うとすれば、狙撃手は安全な場所から標的を狙うのに対し、菊次郎は確実に被写体を自分のものにするために危険を冒して相手に近づくことだろう。福島菊次郎の写真は尋常ならざるほどの至近距離から接写されている。当然だが、これらの写真を撮り上げた菊次郎が費やした気力、体力、精力も生半可なものではなかったはずだ。現在は山口県柳井市のアパートで愛犬ロクと穏やかな自炊生活を送る菊次郎だが、それでもカメラを手にすると表情が豹変する。とても90歳と思えない俊敏な足取りで被写体に迫っていく。





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