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アラフォー女性、制服ブーム?「娘と一緒」「懐かしい」が“ままも族”の消費を刺激

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。

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アラフォー女性、制服ブーム?「娘と一緒」「懐かしい」が“ままも族”の消費を刺激 – Business Journal(5月1日)

『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系列)などでおなじみの世代・トレンド評論家、牛窪恵氏。本連載では、8月23日に『男女1100人の「キズナ系親孝行、始めました。」』(河出書房新社)も出版した牛窪氏が毎回、賢くも楽しく生きる女子たちの“生態”を通じて、彼女たちが新しいマーケットやブームをつくりだしていく現実と可能性について探る。日本の将来は、女ゴコロしだい!?

 突然だが、皆さんは「制服姿の、アラフォー女性」と聞いて、どう思うだろう?

 先日、女優・米倉涼子さんは、4月スタートの連続ドラマ『35歳の高校生』(日本テレビ系)にちなんで、キュートな制服姿を披露した。

arafour0425_01.jpg(写真:『35歳の高校生 公式サイト』 <日本テレビ HP>より)

 アラフォー女性の誰もが、米倉さんのように“スタイル抜群”で“お色気ムンムン”なら、多くの男性が「見てみたい!」と感じるはず。

 だが、大多数のアラフォーは、残念ながらそうではない。

 私自身も同じだ。

 私は先日、これからお話しする“ある現象”を紹介しようと、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)のスタジオに、女子高生ふうの制服姿で乗り込んだ。

 すると私を見るなり、マツコ・デラックスさんは大きな声をあげた。

「やだ、イタイ(痛々しい)、イタイわぁ~!」

 確かに、そのとおり!

 それなのに今、おもに40代のママたちの間で、その「なんちゃって制服」が「カワイイ」「着てみたい」と話題を呼んでいるのだ。そもそも「なんちゃって制服」とは、おもに女子中高生が着る、“制服ふうの私服”のこと。

●ブームはたちまち全国に波及

 ブームの火付け役は、08年に原宿にオープンした「CONOMi原宿店」だ。

arafour0425_02.jpg(40代ママにも人気の「CONOMi」のサイト)

 当初は、制服がない中学・高校の女子生徒たちが「なんちゃって感覚で、あえてカワイイ制服ふうのスカートを履きたい」などと、CONOMiの店頭に詰めかけた。

 直後からAKB48のブームもあって、たちまち全国に波及。2009年3月の時点で、売上はオープン時の4倍にまで達した。

 やがて、通販大手のセシール(「Cupop<キューポップ>」ブランド)やドン・キホーテまでが、なんちゃって制服を目玉商品として扱うように。その頃から、今度は少し上の女子大生たちが、「みんなでなんちゃって制服を着て、ディズニーランドに行く」という遊びを、“ごっこ感覚”で広め始めた。

 都内の女子大に通うA子さんも、その一人だ。

「制服って、友達と一体感が味わえるじゃないですか。“チーム○○”みたいな感じ。私、高校も制服がなかったから、そういうプレイが、今になって楽しいんです」

 こうした女子大生の動きまでは、なんとか理解できる。

 では、そのブームがなぜ、40代のママたちにまで及んだのか?

arafour0425_03.jpg(セシールの中学・高校生向け通販サイト「Cupop<キューポップ>」でも、なんちゃって制服が人気)

 昨年、私はある企業との共同調査で、40代の主婦たちに、徹底したグループインタビューをおこなった。そこで、衝撃の事実を耳にしたのだ。

 「最近、入学式に娘とペアで『なんちゃって制服』を着て来るママ、いない?」
 「あぁ、うちの学校にもいたよ! ちょっと引くけど」
 「でもなんか、楽しそうだよね」

 その後のインタビューでも、主婦らに「見たことありますか?」と振ってみたところ、なんと複数の中学・高校で、「なんちゃって制服」姿で入学式に参列するママたちが目撃されていたのだ。

 いったい、なぜ?

 そういえば数年前、私がCONOMiについて取材した際も、代表取締役・相浦孝行社長はこう言っていた。

「うちの店でも、お母さんたちが娘以上に『カワイイ!』と、なんちゃって制服の前で目を輝かせ、『お母さんの時代にもこんなのがあったらなぁ』と、うっとりするママたちをよく見かけますよ」

●バブル世代の「懐かしい」「娘と一緒に」を刺激

 振り返れば、今の40代半ば~後半のママたちは、いわゆる「お嬢さまブーム」に沸いた80年代に、華やかな青春時代を過ごした、バブル世代。

 当時、一世を風靡した雑誌が、「JJ」(光文社)、この雑誌が世に広めたファッションが、「ハマトラ」だった。

 念のため、補足しておこう。ハマトラとは、70~80年代にかけて、横浜近辺から生まれた、アイビールックのくずしスタイルのこと。

arafour0425_04.jpg(バブル予兆期~最盛期に「ハマトラ」ブームを発信した、当時の「JJ」<光文社>)

 元祖は、

・フェリス女学院(横浜)の制服
・横浜元町の若者ファッションから生まれたスタイル

 など、諸説もろもろ分かれるが、基本は紺のブレザーにベスト、カーディガン、タータンチェックの巻きスカート、ハイソックスなど。まさに、今の「なんちゃって制服」と、そっくりなのだ。

「去年、娘に釣られて、なんちゃって制服を買った」と笑うのは、千葉に住む主婦・B子さん(40代)。彼女は、「さすがにこのトシで、(制服を)着るのは恥ずかしいけど……」と前置きしたうえで、こうも続けた。

「娘となんちゃって制服を見に行って、出来心で一緒に試着室に入った。そしたら、『なんか懐かしい』ってテンションが上がって、つい自分も買っちゃったんです」

 そう、彼女たちママにとっては、「懐かしい」「娘と一緒に」がポイントなのだ。

 ふだん、自分ひとりでは恥ずかしいことも、と一緒なら、思い切って一歩を踏み出せる。いつも「遠い昔のこと」とスルーしているモノやコトも、娘と一緒だと、「懐かしい!」「もう一度やってみたい」と、勇気が湧く。

●「ままも族」の登場

 そんなイマドキのママたち(おもに40~50代)を、「ままも族」と命名したのは、リクルートライフスタイル。娘が何かやろうとすると、「ママも(ままも)一緒にやる!」と乗り出してくる、若い感覚の女性たちを、こう形容した。

arafour0425_05.jpg

 同社が昨年末、約7500人のママに実施したアンケート調査でも、約半数(49.6%)の母親が、娘と一緒に美容室に行く「ままも族」であると判明。しかも、一緒に行く頻度は、「年に2.6回」にも及んだ。

arafour0425_06.jpg(出典:12年 リクルートライフスタイル「母娘美容消費実態調査」)

 ちなみに、美容室以上に頻度が高いのは、

 ・娘と一緒に、スポーツをする
 ・娘と一緒に、化粧品を買う
 ・娘と一緒に、ゲームをする
 ・娘と一緒に、洋服を買う

 で、トップの「一緒に洋服を買う」は、なんと年間6.2回。母娘市場を狙う企業が見ても、「そこまで?」と、驚くべき数字だろう。

 私は04年秋、積水ハウスと弊社(インフィニティ)の2社共同で、「これからの家族を考える会」という研究会を設立。この年、同代表に就任し、06年4月にはその研究成果として、東京・立川の住宅展示場に「カーサ・フィーリア 娘と暮らす家」という住宅を建てた。

arafour0425_07.jpg(積水ハウスとインフィニティが共同開発した住まい「カーサ・フィーリア 娘と暮らす家」

 コンセプトは、「30~40代のシングル女性が、親(おもに母親)と一緒に、快適に暮らせる住まい」。このころの市場のけん引役は、圧倒的に“娘”のほうだった。母親は「娘がいいなら(私もいいわ)」と、完全に受身が多かったのだ。

 ところが近年、「ままも族」なる、新たなママたちが登場。彼女らの多くは、バブル期に培った「根拠のない自信」を、今も持ち続けている。

 すなわち、多少身奇麗にしていれば、周りから「キレイですね」と褒められる。場合によっては、男性が美味しいお店にエスコートしたり、奢ってくれる……。そんな、かつての成功体験が、今もどこかに眠るのだ。

 だからこそ、ままも族は言う。

「娘といると、あのころの自分に戻ったみたい!」

 もうすぐ母の日。今年も、根拠なき自信をもった、でも今も若々しい「ままも族」が、ホテルやエステの「母娘プラン」を利用しに、続々と街に繰り出すだろう。

 今もわが娘の横顔に、かつての自分の面影を探しながら……。
(文=牛窪恵/マーケティングライター、世代・トレンド評論家、有限会社インフィニティ代表取締役)

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最終更新:2013/05/02 14:00
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